「私たちの望むものは」に託されたものとは? 3月11日の福島、3月13日の日比谷の2日間。多くのミュージシャンたちの、多くの音楽に触れることができた。 音楽がいかに自由で、音楽がいかにそこにいる人の心をひとつにして、音楽がいかに明日への希望をもたらしてくれるのか。それを再確認できた。 何曲も聞いて、そこにいてライブを感じられることの幸福感を感じた。その中でも特に心に残ったのが、SONICで開催されたアサイラム in FUKUSHIMAで、渡辺俊美さんとTOSHI-LOWさんが歌った「私たちの望むものは」だった。岡林信康さんが1970年にリリースした歌。50年以上も前の歌だ。 東日本大震災(原発事故)、コロナ、そしてロシア(ウクライナ)。揺れ続けている世界で何を見出していくの...2022.03.14 05:43NEWSREVIEW
数々のロック・マジックがここで生まれた。イギリスの滞在型スタジオ、ロックフィールドのドキュメンタリーが公開中。 映画『ボヘミアン・ラブソディ」でも、クイーンの名曲「ボヘミアン・ラブソディ」が生まれたスタジオとして登場するロックフィールド。ロンドンから西へ200キロあまり。エルヴィス・プレスリーのロックに感化されたキングズリー・ウォードとチャールズ・ウォードの兄弟によって、ウェールズのモンマス近郊の農場にスタジオが設立されたのが1963年のことだった。そして65年に世界初の滞在型の音楽スタジオが誕生した。2022.01.28 08:49NEWSREVIEW
ケンジ・ジャマーによるサイケデリックロック・ユニットが2ndアルバムを配信でリリース。 シンプリーレッドのギタリストであるケンジ・ジャマー(鈴木賢司)が「25年前にバンドを組むつもりだった」と話すのがドラマーのオマー・ヘイズ。パンデミック中にSNSで再会したふたりが、オンラインバンドとしてレコーディングを開始。そして生まれたのがロック・ユニットTHE HAYABUSAだ。2021年にファーストアルバムをリリース。そしてはやくもセカンドアルバムがリリースされた。前作以上にサイケにグルービーに進化した音源は、Apple MusicやSpotifyなどの配信サービスで視聴が可能。HAYABUSA Ⅱ収録曲数:10曲2021.12.21 01:55NEWSREVIEW
カウンターカルチャーを象徴するコメディアン=ジョン・ベルーシ。彼の人気の源泉を明かすドキュメンタリー映画『ベルーシ』が公開。 日本では映画『ブルース・ブラザース』のジェイクとして人気を獲得していたジョン・ベルーシ。この映画が公開されたわずか2年後の1982年に急逝してしまった。 ジョン・ベルーシのアメリカでの人気の源泉はどこにあったのか。日本では、なかなかわかりにくかったかもしれない。アルバニア系移民の子供として生まれ、シカゴの即興コメディ劇団からキャリアをスタートする。シカゴでの成功を足がかりに、ニューヨークに拠点を移す。そして75年には『サタデー・ナイト・ライブ』がスタートし、アメリカン・コメディを代表する存在になっていく このドキュメンタリー映画『ベルーシ』のなかにこんな言葉が出てくる。「セックス、ドラッグ、フェミニズム、ロ...2021.12.20 07:18NEWSREVIEW
【阿寒への旅2】手つかずの自然に触れる。アウトドアを通して阿寒の大地から学ぶ未来。 現在、日本には32カ所の国立公園がある。瀬戸内海、雲仙、霧島の3カ所が日本最初の国立公園に指定されたのは1934年(昭和9年)3月のこと。同年の12月に、大雪山などとともに、阿寒も国立公園として指定された。阿寒は北海道でもっとも歴史のある国立公園のひとつだ(2017年に阿寒摩周国立公園に名称が変更になっている)。 阿寒への東京などからの空の玄関口になるのが釧路空港だ。釧路空港から阿寒に240号線で向かう。まっすぐに伸びる道の両側にはいくつもの牧場が連なっている。緑が広がる牧場は北海道をイメージさせてくれる風景のひとつだ。牧場のエリアを抜けると、森林地帯に入っていく。クチャで使われていたエゾマツなどの北方常緑針葉樹のなか、ミズナラな...2021.12.09 07:00NEWSREVIEW
【FARCRY BREWING】クラフトビールという文化の発信。その土地が持っている個性やクオリティ、そして作り手のメッセージをビールに込めることで発展し、定着してきた欧米のクラフトビール。日本にもその波が確実にやってきている。群馬県桐生市から発信されるアヴァンギャルド・ビールというビジョン。2021.12.02 03:05NEWSREVIEW
「水俣」を語り継いでいくための『MINAMATA』。写真家ユージン・スミスの姿をジョニー・デップ主演・製作により映画化。 熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、補償や救済をめぐる問題が続く日本における「四大公害病」のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏が1975年に発表した写真集『MINAMATA』だ。3 年にわたり水俣で暮らし、公害病の実態や住民らによる抗議運動をカメラで捉えていくユージン氏の活動の軌跡をジョニー・デップ主演でドラマチックに描き出す。 ジョニー・デップは、この作品ではプロデューサーも務め、2020年のベルリン国際映画祭の公式記者会見で、こんな言葉を残している。「一人の関心を持つものとして、この歴史は語り継がれなければならないと思いました。映画の持つ力をフ...2021.09.26 07:18NEWSREVIEW
MOUNTAIN RESEARCHの小林節正プロデュースによる新たな キャンプ場が山梨県道志村に誕生 MOUNTAIN RESEARCHの小林節正氏プロデュースによるキャンプ場が山梨県道志村に3月にオープンした。シンプルな暮らしを手軽に実験できる場所になるようにとの思いから、街中にいると嫌でも視界に入ってくる車や企業広告などを見ないで済む場所になるように、テントサイトがセッティングされている。同ブランドのアイテムがレンタルできるほか、大型の火皿が備えられたクラブハウス(管理棟)では 、中目黒COWBOOKSセレクトの書籍を読むこともできる。2021.05.10 05:47NEWSREVIEW
『かつて僕らは兄弟だった』ロビー・ロバートソンによってザ・バンドの衝撃的デビューから解散まで、今そのすべてが語られたドキュメンタリー。 母親はモホーク族のインディアンであるロビー・ロバートソン。その血がそうさせるのか、小さな頃から個性的なギターを弾いていたという。カナダのシックス・ネイションズ(イロコイ連邦)で育ったロビー・ロバートソンが、15歳でアメリカ南部のロニー・ホーキンスのバックバンドに加入したことからザ・バンドの歴史ははじまる。そのホークスでのリヴォン・ヘルムとの出会い。そしてボブ・ディランとのツアーを経てのウッドストックへのメンバーとの移住。そこで共同生活をしながら生まれたザ・バンドの名曲たち。そして解散ライブとなった76年の「ラスト・ワルツ」までを追ったドキュメンタリー映画だ。 ロビー・ロバートソン、リヴォン・ヘルム、リック・ダンコ、リチャード・マニ...2020.11.20 02:40NEWSREVIEW
「もったいない」が導くサステナブルな未来のヒント。映画『もったいないキッチン』が全国でロードショー公開中。 「もったいない」。元々は仏教思想に由来する⾔葉で、ケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マータイが、「MOTTAINAI」を世界共通の合⾔葉として掲げたことで世界中から注目を浴びた。無駄をなくすだけでなく、命あるものへの畏敬の念が込められた日本独自の美しい⾔葉だ。 ヨーロッパを舞台にした映画『0円キッチン』から5年、映画監督ダーヴィド・グロスが次なる舞台に選んだのは世界トップクラスの食品ロス大国日本。その量は毎年643 万トンにものぼるという。キッチンカーで福島から鹿児島まで旅しながら、「もったいない」を合言葉にフードロス問題を解決するヒントを発見していく。 食のもったいないをなくすためには、次の5つが考えられるという。「1. 買っ...2020.08.19 01:49NEWSREVIEW
ライブの新しいクオリティを創造すること。ROVO @ライブフォレスト ウィズ・コロナにあって、ライブというカルチャーを止めないためには、どういう場づくりが必要なのだろうか。それをトライしているのが「ハイライフ八ヶ岳」や代々木公園での「アースガーデン」をオーガナイズしているアースガーデンだ。東京あきる市のキャンプ場を会場に、5月には無観客でのライブ配信を始動。6月中旬には入場数を70人に限定してライブが行われた。キャンプ場でのこのライブイベントのために名付けられたのが「ライブフォレスト」。そして7月11日に入場数を150人に拡大してROVOのワンマンライブが開催された。この日の「ライブフォレスト」には、地元の飲食の出店もあり、よりフェス感が増えていた。2020.08.18 02:38NEWSREVIEW
GRATEFUL DEAD 50 / FARE THEE WELLから5年。アメリカに刻まれてきたグレイトフル・デッドという道標。キャプテントリップと称され、サイケデリックカルチャーのアイコンでもあったジェリー・ガルシアが逝ってしまったのは1995年。長きにわたって、グレイトフル・デッドという名が封印されていたが、グレイトフル・デッド結成50年にあたる2015年、シカゴとカリフォルニアで5回のみリユニオンショー「 FARE THEE WELL」が開催された。懐かしむための再結成ではなく、現在進行形のカウンターカルチャーを体現する。そのために全世界からデッドヘッズがシカゴに集結した。文 = 菊地 崇 text = Takashi Kikuchi写真 = 林 大輔 photo = Daisuke Hayashi2020.07.03 01:59NEWSFESTIVALREVIEW