フィーリングを融合させ、 インストジャムからファンクへ。【Muff】

Muff

カラフルに表情を変化させるダンサブルでファンキーなビート。メンバーチェンジを経ても、バンドとしての核を消すことなく新たにプラスされていく。

文 = 菊地 崇 text = Takashi Kikuchi
写真 = 林 大輔 photo = Daisuke Hayashi


ー ジャムをバンドの音の中核にするようになったのは、いつくらいのことだったのですか。

田口 Muffっていう名前でバンドをはじめたときはトリオで、歌もあるグランジロックをやっていたんです。メンバーのなかで今も残っているのは僕だけなんですけどね。いわゆるジャムバンドのようなスタイルになったのは10年くらい前です。


ー バンドのスタイルが移行していったのはどういう理由があって?

田口 2002年とか2003年とか、野外で小規模なパーティーがいろいろ開催されていたじゃないですか。 DJなりバンドが、野外の空間で音を出しているのを体験して、こういう表現の仕方、こんな遊び方もあるんだって刺激を受けて。それまではライブハウスで汗かいて、一生懸命ライブしていましたから。ちょっとずつ自由な方向って言ったらいいか、パーティーやダンスミュージックシーンに転換していったんですね。歌も少なくなっていって。そして完全にインストになって、クラブとか野外フェスに出るようになったんです。


ー それが10年前くらいということですか?

田口 そうです。いわゆるグレイトフル・デッドやPHISHを通ってジャムへというわけではなく、日本のジャムシーンから影響を受けて変化していったんです。


ー メンバーチェンジも多いようですけど、メンバーが変わることで音も変わっていったのですか。

田口 ジャムをはじめた頃は、いわゆる日本のジャムバンドっぽい音楽だったんです。僕がそこに憧れを持っていましたからね。メンバーが変わって、徐々にファンクが好きなメンバーが増えていって。僕もファンクにより興味を抱くようになって。自然とファンクグルーブのなかにジャムっぽいフレーズとかサイケデリックな感覚を乗っけていく方法になっていきましたね。

ー 現在のメンバーになったのはいつだったのですか。

田口 もっとも新しいメンバーがオルガンの飯原で、彼が加入したのが1年半くらい前です。今、向かっている方向性としては、スタンダードなファンクではなくて。もちろんインスパイアのひとつとしてファンクは入ってくるんですけど。メンバーの音楽の志向はまっ方ですね。それをもとに何回かセッションしていく。結局、自分がイメージを伝えたときのものとはまったく違うものに最終的にはなっているんですよね。僕が自分の想像を超えたものになってくれたときに、バンドでやっていて良かったと改めて思える。こんなデジタルな時代でも、やっぱり人間っぽいやつが好きなんだなって思いますね。


ー 『RETRO FUTURE』という新作に込めたものとは?

田口 レトロっていう言葉を自分たちのなかの当たり前とした場合、当たり前を続けていくことで未来に繋がるっていうことをもう一回振り返りたいなって思って。ルーツありきの未来。今のメンバーは、ジェネレーションの差もあるんですね。レトロのイメージや価値観は違うと思うんですけど、それぞれのルーツを持ち寄った作品であり、それが未来に届けられるっていうイメージ。自分たちのレトロが未来を描く核になる。だから音としては人間くさいかもしれないですね。それがもしかしたら、自分たちのジャムなのかもしれないですけど。


Profile;
Muffとしての活動歴は長く、2014年の〈フジロック〉など数多くのフェスに出演を果たしている。2017年1月からの現メンバーは田口将之(Gt)、河野譲(Gt)、 吉川衛(Ba) 、飯原直樹(Org)、谷本朋翼(Ds)の5人(取材のときはひとり欠席)。インストバンドを中心にゲストを召喚する2MANライブのイベント「GROOVIN' MAGICAL HOURS」が東京・渋谷でスタートさせる。一回目がJABBERLOOPを迎え11月16日にSHIBUYA LUSHで開催される。12月8日に川崎・元住吉POWERSで開催されるDEAL JAMにも出演。http://www.muff.jp/


CD RETRO FUTURE;
ファンク度がかなりアップした2年半ぶりのアルバム。自然と身体が揺れだすFUNKY GROOVEに、Muffならではのギターメロディーと厚みのあるオルガンサウンドで過去と未来が見事に融合している。


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