蔵王龍岩祭インタビュー 蔵王のさらなる進歩を描くために

東北有数のスキーリゾート、あるいは開湯1900年になる名湯として人気を集めていた山形蔵王。夏の間でも蔵王に人を呼びたい。蔵王の魅力を多くの人に伝えたい。そんな思いを持って入場無料のフェスとして「蔵王龍岩祭」がスタートしたのが2006年。12回目の開催となる今年で最後になるとの公式発表されている。 11回目の開催となった昨年から実行委員長を務めているのが鑓水大輔さんに、「蔵王龍岩祭」の最後の夏への思いを聞いた。


–––– 東北最大級の入場無料のフェス。今年12回目の開催になりますが、スタートしたきっかけを教えてください。 

 創始者であるヤスオさんが最高のフリーパーティーを蔵王でやりたいと口にしたところからですね。そんな話をしているうちに根っからの地元人間である蔵王の松金屋アネックスの龍太さんが蔵王でロックフェスやりたいってなって。DJ、PA、絵描き、バンドマンなどが蔵王に集まり、語り合った末に1回目がスタートしたんです。

–––– 会場の山形蔵王の魅力とは?

 山形市内から車で20分のところにあり、硫黄温泉の強さでは日本で2位の濃度を誇る温泉が湧き出てます。夏は避暑地として過ごしやすいですし、秋の紅葉も最高です。そしてなんと言っても蔵王といえば冬。樹氷で知られてますね。その温泉街から歩いて5分のところに会場が見えてきます。そこが蔵王で1番大きいゲレンデの上の台(うわのだい)特設エリアです。

–––– 入場無料のフェスにこだわり続けた理由は?

 日本各地にいろんなお祭りありますよね。山形なら花笠であり、仙台なら七夕。長野でいえば御柱など。お祭りって会場で入場料払わないものじゃないですか。入場料のない祭りには、小さな子どももおじちゃんもおばあちゃんも、いろんな人種の人が集まってくる。みんなが不思議と心踊るんですよね。

–––– 今年が最後の開催になるという発表が出されています。これからも続けて欲しいという声が多いなか、最後となる理由は?

 10回目まで、ヤスオさんが実行委員長をつとめあげ、「もう俺は10回やったから、違う動きをする」と言ったんです。僕も自分の子どもに認識してもらえるまで祭があってほしいとか思って、実行委員長をやらせてくださいっお願いして、去年僕が引き継ぐことになったんです。一年目はなんとかみんなに支えてもらいながら、無事終えることができました。2年目の今年まで実行委員長をやって、次にバトンタッチしようと思ってたのですが、他のメンバーもほぼ子持ちだし、なかなか今の状況では難しいだろうと。ヤスオさんと龍太さんが今年で最終回ってことでどうだろうって言い出し、さらなる蔵王の進歩を描くために一旦幕を閉じようということになりました。

–––– 今年は、特にどんな特徴を持っていますか。

 最終回ということで、みんなの思い入れもひとしおで、総勢77組のアーティストが三日間にわたり奏でて下さいます。バンドもいろいろご紹介したいのですが、WEBでチェックをお願いします。全エリアの電源をバイオディーゼルにして、土曜日のメインステージであるドラゴンステージではパーソナルエナジーのご協力のもと、ステージ電源を太陽光でまかないます。日曜日には温泉街をalawoduduというサンバヘギのチームがパレードを行います。夜が更けてくるとキャバレー黒薔薇、LOUNGE439がOPENしたり。いろんな楽しみ方を見つけられると思います。

–––– 電源を太陽光やバイオディーゼルにこだわっている理由は?

 世の中がエネルギーシフトに動けばいいなという思いですね。

–––– 例年、どのくらいの方がキャンプなさっていますか。

 テント数でいうと200張りくらいでしょうか。温泉街が近いので、宿もオススメしたいです。

–––– 今年の蔵王龍岩祭で、どんなことを体験し、どんなことを持ち帰ってもらいたいですか。

 泣いて笑って叫んで踊って食って語って感じて震えてほしいですね。


蔵王龍岩祭2017
開催日:8月25日(金)26日(土)27日(日)
会場:蔵王温泉スキー場 上ノ台エリア特設会場
入場料:無料
出演:TURTLE ISLAND、T字路s、WRENCH、SAIRU、blissed、青谷明日香、HALKO(桑名晴子)、Indus&Rocks、TEX & SUN FLOWER SEED、他

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