「縄文」をテーマにしたイベントONENESS MEETING。縄文という時代が、今に何をもたらしてくれるのか。音楽だけではなく、様々な視点から考えさせてくれる。2012年に野外フェスとしてスタート。翌年から東京のハコで開催が続いている。ONENESS MEETINGのオーガナイザー(宮脇崇成、草刈朋子)にインタビュー。
–––– 8回目の開催となるONENESS MEETING。毎年テーマを掲げていますが、今年のテーマ「創造の伝承」について教えてください。
ONENESS MEETINGでは初回のCAMPより、縄文というルーツにこだわってきました。縄文土器や土偶のデザインを見ても感じることは1万年以上前から日本列島の人々は創造をしていたということです。そして、自分の内側からわき起こるビジョンやイメージを表現するということは、現代の私たちも行っていることです。どのような表現にしろ、創造することを通して私たちは先人達の思いとつながることができます。
気候変動による天災、原発事故などの人災に巻き込まれつつも、先人達が絶えず精進してきたクリエイションをこの時代に生きる我々も継承していきたい、という新たな決意を込めています。
–––– 縄文のどんなところに魅力を感じているのですか。
私たちは縄文人が残したほんの一部の道具類を見ているに過ぎませんが、どんなに小さな釣り針ひとつとっても、そこには丁寧に文様が刻まれています。それが何を意味しているのかはわかりませんが、あらゆるものを美しく装飾するという行為には人間の尊厳や誇りを感じます。おそらくこの時代の人々は厳しい自然と対峙しながら、生き抜くための希望をそこに見出していたのではないでしょうか。創造することを辞めなかった人々から、現代の私たちが学べることは多いと思います。
J.A.K.A.M.(JUZU a.k.a. MOOCHY)
–––– 今年のONENESS MEETINGの特徴を教えてください。
今回は自分たちが『イイ』『美しい』『かっこいい』という気持ちを信じ、出し切ろうと思ってます。
2012年長野で開催されたONENEN CAMPのヘッドライナーであったOOIOO、OKI DUB AINU BANDを筆頭に、全キャストがこの島々のユニークな文化を伝えてくれるメッセンジャーだと思っていますが、今までよりも女性のキャストが多いのが特徴だと思います。
音楽以外の要素としては、今回はネオ縄文をテーマに活動するアートパフォーマンス集団「Universal Gypsy」と一緒に行う自由参加の餅つき、ガムラン奏者・川村亘平斎による影絵ライブ、祈結師・白鳥紗也子のロープアートなどが新たな見所です。毎年恒例のトークセッションは、縄文タトゥーの可能性を探るジャーナリストのケロッピー前田さんやタトゥアーティストの大島托さんを迎え、装飾することの可能性について問いかけます。昨年に引き続きベリーダンサーNourah率いるエキゾ盆踊りや一筆書きアーティストNANDEによるペインティング、黒曜石の石器作りなど子どもが参加できるワークショップもあります。
OKI DUB AINU BAND
OOIOO
–––– オリンピックの開催を控えている東京の変化をどう感じていますか。
東京はもともと江戸という名前でしたが、そのエドという音声はアイヌから来ています。常に移り行くこの土地の上の文化に再び訪れたオリンピックは元来ギリシャから始まった平和の為の(というか戦争を避ける為の)大運動会でしたが、いつのまにか多国籍企業の利権ビジネスの場になってしまっています。ですからオリンピックは東京あるいはこの島々の文化の素晴らしさというよりは、社会経済システムの酷さを世界に伝える場になるかもしれません。そしてオリンピックが過ぎ去った時、コロコロ変わるものと変わらないものが見えてくるのではないでしょうか?
–––– ONENESS MEETINGをどういう場にしたいですか。
このイベントに何かを感じてきてくれた人達の交流の場になればと思っています。集まって話したり、音楽を聞きながら踊ることを通して、次の創造が始まるきっかけの場になればと思っています。
–––– ONENESS MEETINGというカルチャーを海外へアピールすることを考えているのですか。
東京におけるトライバルミュージックフェスとして、外国の方が楽しいと思える要素は多いと思うので、まずは遊びにきて感じてもらいたいと思っています。
–––– この日、どんな楽しみ方をしてもらいたいですか。
毎回私達は社会と芸術そしてスピリットの関わりを、伏線としてテーマにしていますが、今回のテーマは「創造の伝承」なので、是非そのテーマを意識しながら楽しんで頂けたら幸いです。
Movements Oneness Meeting〜創造の伝承 Tradition of Creation
開催日:1月26日(日)
会場:代官山UNIT
出演:OKI DUB AINU BAND、OOIOO、RABIRABI、KENJI IKEGAMI(尺八)×惠原詩乃(ムックリ)、川村亘平斎(影絵師・ガムラン奏者)、J.A.K.A.M.(JUZU a.k.a. MOOCHY)× 内田直之、CHURASHIMA BROTHERS、俚謡山脈 × エキゾ盆踊り、ケロッピー前田(身体改造ジャーナリスト)、ほか
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