「失敗が許されない社会は窮屈」ONENESS MEETINGで語られた関野吉晴の提言。

 2月10日、代官山のUNITとUNICEで開催されたONENESS MEETING。2012年に一回目をキャンプインフェスとして開催。2回目から都内のハコに会場移し、今年で7回目の開催となる「縄文」をテーマにしたイベント。

 今年トークゲストとして出演したのが関野吉晴さん。探検家であり医師でもある関野さんの名前はフジテレビでオンエアされた『グレートジャーニー』で知っている人も多いだろう。南米大陸の南の突端から人類の起源であるアフリカへと、人間の軌跡と逆ルートで巡った旅。グレートジャーニーに続き「自然から素材を集めて舟を作り、エンジンを使わずに島影と星だけを頼りにインドネシアから日本まで来る」旅をした関野さんは、自分たちで作った船を「縄文号」と名付けた。九十九里浜で磁石で集めた鉄を集めて、製鉄所で斧作り、その斧を使ってインドネシアで木材を切るということまで徹底されていた。そんな関野さんの活動があって、トークゲストとして名前が上がったという。この旅は『縄文号とパクール号の航海』という映画となって公開された。

 トークのなかで、きになる言葉をいくつも残してくれた関野さん。その言葉は、今の時代への提言でもある。

「45年前にアマゾンの原住民の村に行きました。その村の家に入る。家のなかのすべてのものが何でできているかがわかる暮らし。森や自然から素材をいただいている。日本で暮らしていて、家のなかには素材のわからないものばかり」

「狩猟は今を大切にする。農耕は未来を描く。狩猟民族だったアマゾンの人たちの言葉に未来形と過去形がない。だから夢もないけれど後悔もない」

「旅で大切なものは気づき」

「競争をしないと人は優しくなれる」

「311で日本は変わると思ったんだけど、変わらなかった。むしろ悪い方向に行っている。自分が若かった頃は、成功を求められなかった。何度失敗してもいい。今は失敗することが許されず、ある程度の成果が求められる。大学で教えてみて、学生が挑戦をしなくなっている。変化よりも安定を求めているように感じる。失敗が許されない社会は窮屈」

写真=廣川慶明



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