【ZIPANG FULL MOON PARTY@Viet Namインタビュー】パーティーによって人生を好転させる。

Music & Art Festival『ZIPANG』が、9月13日(金) から15日(日)の3日間に渡り、ベトナムでブロックフリーパーティーを開催した。
古くは「黄金の国 ジパング」と呼ばれていた日出る国、日本。『ZIPANG』はその名の通り、いまや世界でもトップレベルを誇るダンスミュージックとそこから派生するアートやライフスタイル、クラブカルチャーを世界に発信するべく国内外で活躍するアーティストを招聘し、千葉県南房総にて2015年より開催されているパーティーだ。
今年5周年の節目を迎えたZIPANGが、日本を飛び出して創り上げた夢のような3日間。「Experience」をテーマに掲げた『ZIPANG FULL MOON PARTY in Hoi An/Da Nang』は、まさに参加者達に最高かつ強烈な体験をもたらした。
なぜZIPANGは、新天地にベトナムを選んだのか。そして数々のパーティーを創り上げてきたオーガナイザー高田氏が、ZIPANGに託す想いとは。大盛況に終わった『ZIPANG FULL MOON PARTY in Hoi An/Da Nang』の様子を振り返りながら、高田氏に話を聞いた。


text = Azusa 

写真 = Jiroken/Ken Kawamura


非現実が現実に。熱気と興奮に包まれたダナンの夜

 Pre Party、FULL MOON PARTY、After Partyと3日3晩に渡って開催された『ZIPANG FULL MOON PARTY in Hoi An/Da Nang』は、ダナンとホイアンという2都市をまたぎ、それぞれ会場を変えて開催された。

Day1

 日本での“日常”を脱け出し、海を超えてたどり着いた異国での体験は“非日常”のものとなる。今回、その“非日常”の入り口の地となったダナンには、日本から失われてしまったエネルギッシュな雰囲気が溢れていた。ビーチリゾートとして開発が進み、街の至る所でホテルやビルが建設されている。著しい経済発展による活気が充満し、地元の人たちは、みな生き生きと目を輝かせていた。日本を飛び出し、最初に降り立ったダナンのエネルギーを全身で浴びたことで、一気に高揚感が増した。

–––– 今回ベトナムを初めて訪れましたが、まず最初に降り立ったダナンの活気を浴びて、すぐにベトナムが好きになりました。そもそもなぜ、ベトナムでのZIPANG開催に至ったのでしょう?

高田 昔ちょっと傷心してる時期があって、その時に大先輩から「お前は日本にいてもパワーを出しきれないから、ベトナムを見てみろ」と言われたのが、大きなきっかけですね。初めて訪れたのはホーチミンなのですが、いろいろと調べていくうちにダナンとホイアンが気になっちゃったんですよ。行ったこともないのに、「ダナンとホイアンでパーティーをやる」って決めたんです(笑)。もはや運命ですね。

–––– なぜ、行ったことがないのにダナンとホイアンに惹かれたんですか?

高田 「海がある」ということが一番大きいです。海が好きなんですよ。そもそも野外パーティーは、ロケーションありきだと思っていて。南房総で始めたZIPANGも「ここで友達と遊べたらいいじゃん」っていう気持ちからスタートしています。実は2017年に、ダナンで第0回の『ZIPANG in DaNang Vietnam』を開催しているんです。その時は、ZIPANGスタッフや仲の良い友達を中心に集めて150人規模のパーティーを行って。今回はそのアップデート版なんですよね。

 Pre Partyの会場となったのは、リゾートホテル最上階にあるダーツバー Jammin Danang。360度パノラマ、プール付きというラグジュアリーな空間に、否が応でもテンションが上がる。多国籍な人種が集うフロアの中、日本から集った仲間との異国の地での再会を果たすと、その非現実性に心が踊った。DJブースには、ZIPANGレジデントDJのZEN◯、東京のシーンで活躍するS3によるBtoBセットをはじめ、クルーと縁深いBLACKSHIP、気鋭のNaotsun、Datchiiiなどが登場。熱気と興奮に包まれた夜を盛り上げた。

–––– 初日にあのラグジュアリーな空間で遊べたことで「これから楽しいことがすごく起こりそう」というワクワク感も倍増した気がします。

高田 今、日本にはああいうラグジュアリーな場所で、バッコンバッコン音を出してPartyができる場所なんてないんですよね。だから「非現実的なことが現実に起こっている」ことを最初に体験してほしかったんです。

ZIPANG DJが沸かせた、多国籍でエモーショナルな満月の夜

Day2

 Pre Partyの興奮冷めやらぬ中、起床した2日目の朝。宿泊していたホテルをチェックアウトすると、目の前に大きなツアーバスが止まっていた。本祭が行われるホイアンまでの移動のためだ。実は今回、宿から移動まですべてZIPANGクルーにお任せし、自分で手配したのは往復の飛行機のみ。そのおかげでパーティー以外の時間に買い物をしたり、観光をしたりと、快適に過ごすことができた。

–––– 宿泊先や移動のバスの手配、そして本祭の後にはチャム島へのツアーがあったりと、もはやパーティーを軸にしたツアーでしたよね。異国の地で3日にも渡るパーティーを開催しながら、どうやってあそこまでの準備ができたんですか?

高田 ベトナムにいる日本人の協力があったからです。第0回を開催した時、ローカルとの繋がりの必要性を感じたんです。だからこの2年で、僕らよりも先にベトナムにいる日本人との関係を築いてきたんです。彼らのおかげで宿やバスの手配ができたので、僕一人では絶対にあそこまでのおもてなしはできていない。彼らの力なしには、今回の『ZIPANG FULL MOON PARTY』は実現していなかったですね。「面白いことなら手伝うよ」というマインドを持っている彼らとの信頼関係を積み重ねてきたからこそ、ここまで協力してくれたのだと思います。

 移動のバスの車中では、日本のZIPANGでのバスツアーでも毎年人気コンテンツとなっているDIEZONE RADIOの生放送も行われた。いつも“遊び心”を忘れない、ZIPANGクルーらしさ溢れる、爆笑に包まれた移動となった。

 ダナンから車で40分ほど離れたホイアンは、かつて貿易港として栄えていたという。西洋と東洋が融合したノスタルジックな街並みは、世界遺産としても登録されている。高層ビルが立ち並ぶダナンから一転、車窓にノスタルジックな街並みが映し出されると、まるでタイムスリップしたような不思議な感覚に陥った。

 ホイアンではこの日、1年の中で最も大きい満月祭が行われていた。町の至る所にランタンの幻想的な光が灯されており、エキゾチックでカオスな雰囲気に、自然と気持ちが高ぶった。

–––– 満月祭に浮き足立つ街の雰囲気に触れて、本祭への期待が高まりました。あえてこの時期を選んだ理由はあったのでしょうか?

高田 去年の同じ時期に、妻が誕生日プレゼントとしてホイアン旅行をプレゼントしてくれたんです。その時に満月祭がやっていて、尋常じゃないくらい渋滞していてカオスだった。その時に「このカオスな時にパーティーをやりたいね」って言ってたんです。

 FULL MOON PARTYの会場は、手つかずの自然に囲まれたシークレットビーチだった。会場を目指して浜辺を歩いていると、水平線から大きな赤い月が昇っていくのが見えた。ハッとして反対の空を仰ぎ見ると、沈みゆく太陽が空を茜色に染めていた。

 同じ空に映し出された太陽と月を眺め、地球の丸さを実感して感動していると、目の前に妖艶な赤い光に照らされた会場が現れた。ビーチと対峙したフロアには、ミラーボウルに反射した幻想的な光の粒が空間一体に煌めいている。自然が織りなす景観を保ちながらも、非日常体験に没頭できる空間を創り上げたのは、日本各地で幻想的な空間創造を手がけるMIRRORBOWLERだ。

–––– 満月の神秘的な光、生い茂るヤシの木など、剥き出しの自然と幻想的な演出が合間って、不思議なトリップ感を味わえました。今回の演出のコンセプトはどのようなものだったのでしょう?

高田 2000年初頭のレイヴのアップデートですね。今回、レイヴというものを表現したくて。僕は20代半ばの頃にタイに住んでいて、パンガン島でFULL MOON PARTYを創っていたんですよね。その当時のレイヴを、MIRRORBOWLERとベトナムのDJバーOpioチームのライティングといった現代のテクノロジーで、アップデートさせたんです。

–––– 自然剥き出しの、いい意味で何もない会場だからこそ、自由に演出ができたんですね。

高田 実は他にも候補の会場があったんですよ。プールもあって、もう少し施設っぽいところ。でも「これじゃ未完成なレイヴ感が出ないね」って言って却下して(笑)。今回の場所は、すごくローカルで手つかずの場所だから、好き放題できました。でも、ホイアンも開発が進んでいるし、来年あの場所があるのかって言われたら、わからない。そういう刹那的なところも面白いなと思ったんです。

 オープニングDJを務めたのは、Yukaremix。彼女の手からフロアに紡ぎ出される浮遊感ある音は、これから始まる長い夜に向けて高まる心を穏やかに整えてくれた。夜が深まった頃、空を見上げると満月が高い位置にある。強く優しい月光を浴びると、身体いっぱいに不思議なエネルギーが満ちてきた。ふとフロアを見渡すと、その人の多さと多様さに驚いた(FULL MOON PARTYに集まったのは総勢400名以上もいたそうだ)。多国籍な人種が入り乱れ、我を忘れて音に身を任せている。

 そして何よりも印象的だったのは、日本人アーティストの繰り出す音、描くアートに純粋に反応し、感銘を受ける異国の人々の姿だ。medical、ME:CA、DJ FUMI、そしてeReeといったZIPANGフィメールDJ陣の紡ぐ、ディープかつ繊細な音に恍惚と酔いしれる観客の顔が印象的だった。さらにZIPANGのアートプロデューサーでもあるRusowとStone63によるライブペイントを多国籍の人々が嬉々として見つめる様子を目の当たりにして、同じ日本人としてなんだか誇らしい気分になった。

–––– 日本のアンダーグラウンドカルチャーに多国籍の人々が食らっている様子に、胸が高まりました。まさに「純国産のMusic&Artを世界に発信する」というZIPANGのビジョンが体現されていたのだなと。

高田 やっぱり日本人のアーティストは丁寧でいいですよね。DJ NOBUさんの世界での活躍もあるし、ここ最近日本人のアーティストが徐々に世界で認められて来ていると感じます。

–––– そもそも、あれだけ多国籍のオーディエンスがいたことにも驚きました。

高田 Opioチームとベトナム在住の日本人による集客に加え、各国からたくさんの外国人の友達が来てくれました。僕の中で、パーティーはフェスのような興行的なものではなくホームパーティーの延長なんです。日本人はもちろん、海外の友達にも僕が良いと思ったアーティストを紹介して、一緒に遊ぶっていう。よく「パーティーにはオーガナイザーのパーソナリティが出る」と言われますが、今回は僕の「世界中の友達と遊ぶ」というパーソナリティが強く出ていたと思います。

–––– お客さんだけでなく、スタッフも多国籍でしたよね。特にバーのスタッフは、終始テンションが高くて元気いっぱいで。日本で、あそこまでぶっちぎっているスタッフってあんまりいない気がします。

高田 そうですね、すごい元気でしたよね(笑)。今回のスタッフは日本人の他に、レバノン人、ドイツ人、エクアドル人、スペイン人、ベトナム人、ロシア人、韓国人で形成されています。みんなPartyカルチャーに興味があって、やる気がある子たちばかりなんですよ。タイでFULL MOON PARTYをやっていた時も多国籍のスタッフと一緒に動いていたので、自分にとって多国籍軍でパーティーメイクするのは、ごく自然なことです。メディアでは韓国と日本の亀裂についてとやかく言われているけど、それは国対国の問題であって、個人レベルの問題ではない。共通ランゲージが音楽だから、国籍を超えて仲間になれるんです。

 月が沈み、朝焼けで空が美しいグラデーションに染まり出す頃、日本のアンダーグラウンドテクノシーンをリードするFuture TerrorのHarukaが登場。漆黒のディープテクノから素晴らしいストーリーを作り、最後はサンライズに合わせてUnderworldの「Two Month Off」が流れた瞬間、フロアに歓喜の声が上がった。私も思わず、ドラマティックな夜を過ごした仲間とハイタッチをした。

 強い陽射しが降り注ぐなか、ベトナムのクラブ「The Observatory」のレジデントDJ Hibiya Lineが登場し、変幻自在のグルーヴでレイバー達を踊らせた。

 本祭は「日光が強すぎる」という理由から予定では8時30分に終了するはずだったが、実際に音が止まったのは10時30分。ZIPANGでも毎年最高の朝を盛り上げるCMTが、トロピカルなロケーションにぴったりの爽快なディスコグルーヴで、朝まで残った猛者たちを踊らせ続けていたからだ。私も例に漏れず、燦々と降り注ぐ太陽の強い日差しに汗だくになりながら、裸足で砂浜を踏みしめ、言いようのない多幸感に酔いしれた。

 Day3

 宿に戻り、踊り倒した体をベットで休め、起床した後にスパで身体を整えた(ベトナムには安価なスパも多く、身体をほぐしながら遊べたこともよかった)。

 After Partyが行われたのは、ビーチ沿いのレストラン&バーSoul Kitchen。ホーチミンを拠点に活動するDJ Teruu から始まり、ハノイのCLUB「Savage」のレジデントDJ Ouissamがディスコハウスの流れを作る。そしてZIPANGレジデントDJであるDJ Yu-Taががさざ波と絡み合う心地よいグルーヴを奏でるなか、仲間と昨晩の思い出話にも花が咲いた。Based On Kyoto feat 東京月桃三味線のジャジーでしなやかなサウンドは疲れた身体に染み渡り、KENTA HAYASHIがギター1本で紡いだオーガニックなサイケデリックトランスサウンドによって、会場は多幸感に包まれた。

–––– 美味しいフードを食べながらGoodmusicを堪能できるSoul Kitchenは、まさにAfter Partyに最適な場所でしたね。

高田 初めて行った時に「ここでやりたい」と思ったんです。それで、After Partyに出演してくれたベトナム在住の日本人DJ Teruuや、現地に住んでいる日本人のShuntaroがディレクションしてくれて。彼らもParty愛が強いんですよ。今回あれだけまとまったのは、間違いなく彼らのおかげでしたね。

パーティーを通じた「体験」で人生の選択肢を広げたい

 第1回となった『ZIPANG FULL MOON PARTY』は、異国の地での開催ながら、クオリティ・集客・ホスピタリティと全て完璧なパーティーだった。100% Made In Japan &Keep the undergroundというメッセージを、パーティーというノンバーバルなコミュニケーションで世界に発信したZIPANGは、まさにアジアを代表するパーティーだと言えるだろう。

–––– 日本のクルーが海外であれだけのパーティーを創り上げることは、そう簡単に出来ることではないですよね。

高田 日本でのパーティーメイクに慣れてきてしまっていたんですよね…。各業者とはすでに繋がっているので、電話一本で最新機材が来ますし、正直すごくイージーで。でも、海外では全部を1から切り開かないといけないので、オーガナイザーとしての底力を試されるんです。裏話としては、本祭の場所は開催の1ヶ月前まで決まってなかったんですよ(笑)。でも全然焦ってなかった。「焦ってもしょうがないでしょ」くらいの気持ちでいましたね。さらにギリギリに決まった会場には電気すら引かれてなかったんです(笑)。でも、現地で築いてきた人脈を使って、なんとか電気を用意して。若い頃、タイでパーティーをやってた時の初期衝動を、40歳になった今も味わえてすごくよかったです。だから今回、自分自身も終始ワクワクしていました。

–––– 今回のZIPANGは、「ベトナムと日本のフレンドシップパーティー」ということで、Hibiya LineやMatis、TrinhNuといった、ベトナムのアンダーグラウンドシーンで活躍しているアーティストが多数出演していました。ベトナムは社会主義国家ですから、カルチャーシーンは発展途上だと思いますが、アンダーグラウンドシーンは勢いがあるのですか?

高田 ベトナムで今流行っているのはEDM系ですから、今回出てくれたOuissamやHibiya Lineはかなり貴重な存在です。どこの国もお金になるのはオーバーグラウンドシーンですが、ベトナムは平均年齢28歳で若者が圧倒的に多いからこそ、新しいことを面白がる人も多いんです。特にここ10年でインターネットが発達して、自ら情報を取得できるようになったから、若い子たちの文化がすごい勢いで育っているんです。今回のFULL MOON PARTYでも、若い現地の子たちがすごい頑張ってくれていましたが、あの子たちはまだ20歳くらいなんです。彼らはダンスミュージックやクラブカルチャーに興味を持ってくれていて、すごいやる気がある。彼らのようなネクストジェネレーションがグロウアップしていった時にすごい面白いものが生まれそうだと思います。

––––「平均年齢が若い」「経済が成長が著しい」など、ベトナムには希望がありますね。日本にはない、上向きのエネルギーに満ちていると感じ、ハッとすることが多かったです。

高田 ベトナムは人々が元気あるし、笑顔だし、上向きですよね。単純にエネルギーがすごく良い。一方で日本はもう発展しきっちゃってますからね。1960年代にアメリカでSummer of Loveが起こった時、インドが流行ったじゃないですか。資本主義に疲れた人たちがインドに惹かれていた。ベトナムにこれだけ惹かれるのは、その現象に似ている気もします。日本はご飯も美味しいし、安全だし、すごくいい国だとは思うけど、海外に出て客観的に見てみると、政治のこと、マスメディアが伝えていることに違和感を感じてしまう。かと言って、香港みたいにデモを起こして訴えても、今の日本は解決するかっていったらそうではないし。絶対的な権力で封じ込められてしまうでしょう。「じゃあ、どこがいかに自分が気持ち良く過ごせるのか」ってことを考えないといけないと思いますね。

––––「ベトナムが熱い」という話は友人からも聞いていましたが、実際に空気や文化に触れて、体感したからこそいろいろな気づきがあったように思います。

高田 今の時代、インターネットが発達しているから、行った気になったり知った気になっちゃうんですよね。それがすごい寂しいと思います。実際に日本を飛び出して、異文化交流をすることが大事だと思いますね。だから外国語が喋れないとしても、本当に友達になりたいんだったら、翻訳機使ってでも喋ったほうがいいと思うんです。これだけテクノロジーが発達している世の中で、それを使わない手はないから。ランゲージは伝えるための手段でしかない。いかにしてマインドで繋がるかが重要だと思います。

–––– 海外に移住するとなるとハードルが高いですが、ベトナムみたいに近くて物価も安い国であれば、気軽に遊びにいけますよね。私も今回の滞在を経て「海外にふらっと遊びに行けるライフスタイルを作りたいな」と強く感じました。

高田 昔は見知らぬ海外で遊ぶことが簡単じゃなかったけど、今はインターネットが発達しているから、スマホのSIMを変えるだけで地図も見れるし、翻訳もできる。日本で遊ぶのと同じ感覚で海外で遊べる時代です。ヨーロッパまで行くのは時間的にも金銭的にもハードルが高いけど、アジアであれば気軽に行けますよね。だから、東京もベトナムもアジアという大きい括りのなかにあるひとつの遊び場として見たらいいんじゃないって思いますね。

–––– 東京にも楽しい遊び場はたくさんあるけれど、今回もっと視野を広げてもいいのかなと思いました。

高田 アジア全体を見ても、東京ほどベニューが揃った都市ってないんですよね。VENTでビッグネームのアーティストが来た次の日にContactに初来日のアーティストが来ていたり…。そう考えると、東京はロンドンやベルリンに並ぶほどの都市なんです。だから、東京が魅力的な都市であるのは事実です。でも海外に出て、他の国から改めて日本を見てみると、日本との付き合い方も変わると思います。四季もあって電車も時間通りに来るし、いい国だとは思うんだけど、指導者がちょっとおかしいと思います。エネルギーって循環する物だから、国中に悶々とするエネルギーが蔓延していて、みんな疲れていますよね。僕も日本に長いこといると、イライラしていることが多い。例えば人身事故があって遅れた時、人身事故の被害者の心配をする余裕がないとか…。だから、「あー疲れたな、ベトナム行こう」みたいな感覚で、「海外で遊ぶこと」をデフォルトにできるといいですよね。

–––– 日本だけを世界のすべてだと思うのではなく、世界の中のひとつの国であることを体感するだけでも、人生の選択肢が広がりますよね。今回のZIPANGを通して、いろいろな世界を「体験」することの重要性を感じました。

高田 今回、パーティーというコンテンツを使って「体験」をしてほしかったんです。だからテーマを「Experience」としていて。やっぱり「旅行に行こう」だけではあんな人数は集まらないけれど、パーティーがあれば、みんなが集まることができるじゃないですか。そうすることで、自分がぶっ飛ばされた景色を共有して、みんなで体験したいって気持ちがあったんです。どんな人生をチョイスするのは自分次第だけど、チョイスの幅をパーティーというものを使って広げるというか。「日本じゃなくても、いいんだ」とか「日本以外にもこんなに楽しいところがあるんだ」というふうにね。パーティーは人にポジティブなパワーを与えるものだと思います。だから、パーティーによって人生を好転していけたらいいと思っているんですよね。そしてゆくゆくは、パーティーというコンテンツを使って、付随するビジネスを作っていけたらいいと思っています。パーティー抜きでもダナンで遊んでからバスでホイアンに行くツアーもできるだろうし。パーティー自体には商業的な性質はないけど、パーティーに付随したもので仕事を作っていくっていうのが僕の仕事のスタイルかな。自分の一番得意なことがパーティーなので。

–––– これからどんなパーティーを体験できるのか、今から楽しみです。最後に、今後の展望を教えてください。

高田 ダナンは位置的にアジアのハブになるポジションなんですよ、アジア全土から来やすいし、何より自分が住みたいなって思える場所。来年にはホイアンにお店も開くし、東京とダナンを拠点に色々広げて行きたいですね。来年もベトナムでZIPANGを開催しようと思っています。今回はベトナムアンダーグラウンドシーンの重鎮であるOuissamやHibiyaLineなど、現地の面白いDJを集められたので、次回は香港やタイ、イタリアのDJの友達も呼びたいですね。もちろん日本人のアーティストも呼んで、世界中のアーティストが交流できるようなパーティーにできたらいいと思っています。レバノンでZIPANG って話しもでていますし(笑)。死ぬまでおもしろいことをやり続けたいですね。

0コメント

  • 1000 / 1000