海の環境変化を感じてもらうためにビーチで開催されるフリーフェス。【SURF JAM FESTIVALインタビュー】

日本サーフィン発祥の地のひとつにあげられる千葉外房のサーフタウンで開催される音楽とアート、スポーツのカルチャーフェスティバルが「サーフジャム・フェスティバル」。日本では珍しい、オンシーズンのビーチで開催される入場無料のフェスだ。温暖化の影響か、砂浜が少なくなるなど海岸線の風景は少しずつ変わっている。海の自然の変化を、毎年フェスを開催することで気づいて欲しいという思いでスタートした。オーガナイザーの迎忠男さんは、秋に千葉のいすみの森で開催される「フォレストジャム・グランデ」のオーガナイザーでもある。

–––– サーフジャムは、どんな思いを持ってスタートさせたのですか。

 最初は漠然とビーチで音楽フェスをやりたかったんです。お金持ちでもないし企業を引っ張って来るみたいなコネも興味もないので、企画して予算かけて場所借りてドカン!なんてできないので、とりあえず海のある田舎に住みたいなと思っていたこともあって移住して、ゆっくり地域に根付くようなフェス的イベントになるようやってみようと思いました。20年くらい前の話です。

 最初はそんな感じで小さなイベントを海沿いのバーで開催したり、たまにビーチでも開催していました。移住してから数年で、気がつくと最初に住んでた家の前のビーチが浸食でなくなっちゃって、テトラもどんどん海に投入されるし護岸工事も進んで、ビーチの景色は最初と全然違う感じになったんです。311の津波で堤防を高くしたりして更に変化している感じです。人の手が入れば入るほど逆効果に感じています。

 九十九里と言えばビーチが長くて広いって昔話になりそうだなと、自分は環境問題について熱く語れないし知識もないので、イベントを通して毎年変化する環境に気づいて、このままではこんな感じでビーチで遊べなくなるかもなんて感じてもらえたらなと思っています。

–––– どんな思いがあって入場無料にしているのですか。

 最初ビーチ開催をはじめた頃は有料だったんですが、ビーチの広い敷地を区切るってお金も労力もかかるなと気づいて…。たくさんの人に来てもらいたいし、限られた予算と労力をもっと重要な部分にまわしたいし。あとオンシーズンの海水浴場で開催したいと思った時に有料にはできないと割り切りました。

 SURF JAM FESTIVALに関しては、無料だけど企業がやっているわけでも自治体やスポンサーから援助があるわけでもありません。製作はすべてボランティアでやっています。予算はイベント内の売り上げだけで賄おうとしています。未だ達成したことはありませんが。

 フリー(無料)だけどフリー(野放し)ではない。お客さんも含めすべての参加者の意識で創り上げなくてはいけないと感じています。予算が無い分、いろいろと準備されてないしスタッフも少ないので管理もあまりされてません、お客さんとして参加してもゴミとか落ちてたら拾ったりとか、ちょっと不便があっても助け合ったり、持ち込みをしないでイベント内で買い物をするなど、少しだけでも気を使ってもらえたらいいなと思っています。問題が起こると公共の場所だから次は無いわけだし、参加者全員でイベントを育ててもらいたいし、すべての参加者を信じて入場無料のSURF JAM FESTIVALを開催しています。

–––– それぞれのフェスに特徴があると思います。サーフジャムはどんな特徴を持っていますか。

 オンシーズンの海水浴場で入場無料で開催していますので、子どもから大人までファミリーでゆっくり楽しめます。世界的にも有名なサーフタウンで開催しビーチカルチャーやサーフカルチャーを発信しています。ステージがビーチにあるのも日本では珍しいのではないでしょうか。

–––– それでは今年のサーフジャムの特徴は?

 基本オープンマインドなイベントなので、何かで参加したいという人や団体を積極的に受け入れています。今年は世界で活躍するBMXライダー達のショーや骨髄移植により難病を克服したプロスノーボーダーDAZE氏が理事長を務めるスノーバンクがトークショーやブースなどで参加します、他にダンスやライブペイント、マーケットなど音楽以外でも楽しめるイベントになっています。ですが、ライブもDachamboやズクナシ、Muff、Riddimatesなど入場無料でも見ごたえのあるアーティスト達が出演します。

–––– 大原海水浴場が会場です。ここでフェスを開催することになったきっかけを教えてください。

 以前は九十九里浜で隣町の一宮で開催していました。ビーチも狭くなってしまって海水浴場のイメージでは無くなったことや会場が有料駐車場になってしまったこともあって、次の会場を探していたところ、九十九里浜ではないのですがビーチも広くてマイナーだけど環境は最高な大原海水浴場で開催することになりました。

–––– サーフジャムで一番大切にしているものは何ですか。

 人との繋がりと環境です。どちらも無いとサーフジャムは開催できません。あとイベントの雰囲気としてユルさとトリップ感を大切にしています。

––––  マーケットもフェスを彩る重要なコンテンツだと思います。サーフジャムではどんなマーケットですか。

 各地のフェスでお馴染みのお店もあれば、ローカルの出店者さん海系の雑貨やフード、そして日曜日は会場の隣の漁港で朝市も開催されていてるのでサーフジャムのマーケット以外でも楽しめます。

–––– ここでどんな時間を過ごしてほしいですか。

 オンシーズンの広いビーチの海水浴場で開催されるので存分に夏を、そしてちょっとトリップ感を味わって欲しいです。あと、1日中海で遊べますが熱中症には十分に気をつけてください。

SURF JAM FESTIVAL 2018

開催日程:2018年7月21日(土)-22日(日)

開催時間:

21日土曜日:開場11:00・開演12:00・終演21:00・閉場22:00

22日日曜日:開場11:00・開演12:00・終演15:00・閉場16:00

開催場所:大原海水浴場(〒298-0003 千葉県いすみ市深堀)

入場料:無料

出演:Dachambo、ズクナシ、Muff、ddimates、Signals、immy Binks and the Shakehorns


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