2020年にクラウドファンディングによって開催が予告された無人島でのフェス。コロナ禍によって会場が使えなくなるなどの壁を乗り越えて、いよいよ実現する。出演者もスタッフも、すべての人が船で行くことになる無人島。オーガナイズするNEKOSOGIのローホーに思いを聞いた。
–––– 無人島フェスは、ローホーにとってどういう存在になっている?
お客さん達が、サービスのなかだけじゃなくて、スポンサーのなかだけじゃなくて、自分達がゼロの自由のなかでどんだけ楽しめるか。それをみんなで叶えられる場所だと思っています。ルールがあれば簡単に楽しい範囲ってのは決められるけど、ルールがないなかでどれだけコミュニケーションして、何かをキャッチしいくのか。平和に楽しく最後まで行けるかっていうのは、俺たちの責任なんじゃなくて、お客さん達みんなで成し遂げるもの。そして何よりも無人島フェスという場を楽しんで欲しい。コントロールされてないところで、丸裸でどれだけ楽しめるか。そこが今の時代は薄い。コントロールされたなかで、このルールのなかで遊んでくださいって言われて遊べる機会っていうのはいっぱいあるけど、さあ何やってもいいよって言われた状態のなかで、自分だけではなく人のことをちゃんと考えれるかってこと。だからモラルのなかでのパーティー。
–––– だからこそ無人島だったんだね。
そう。既存の何かに染まりたくなかったし。それぞれ地方でフェスを立ち上げてくれてんのとか、素晴らしいと思うんだけど、俺のなかでは新しい世界の構築みたいなテーマもあって。今回の和歌山の無人島は電波は入ってるけど、陸地と繋がってない場所。そこでそこの空気を味わってほしい。自分の過去とまったく向き合えない場所っていう。そこにみんなが来てほしかった。1回プツンって途切れた今っていうその新しい瞬間を感じて欲しいって。
–––– 特別な時間になりそうだよね?
絶対に特別な時間にするし、絶対に特別な時間になりますから。船に乗って風を浴びて、自分が知らない場所に行くってなかなかないですから。ここ2年はコロナ禍だったこともあって、どこにも行けず、同じ陸地のなかで閉じ込められたと思うんです。土から離れて、違う土を踏む。
–––– 最初の島がNGになってから、よく開催できる無人島が見つかったね?
めっちゃ探しましたよ(笑)。最初が駄目で、2ヶ所目も駄目になっちゃって。場所が変わるという状況で誰に声かけたらいいかもわかんないなか、俺が和歌山に引っ越したことによって出会ったクラブゲートっていう和歌山市のでかいライブハウスで協力してくれる人が見つかって。
–––– 去年、和歌山に引っ越してから見つかったってこと?
完全にそうです。引っ越して大正解。やばいっすよ、和歌山のみんなは。
–––– みんなにはどういう気持ちで来てほしい?
無人島の見所は?どこがメイン?って聞かれたりするんです。誰のライブを見るっていうよりも、自分と出会うためだと思ってるんです。俺もそうだし、お客さんも新しい自分や新しい何かと出会う場所。みんなで作らなきゃいけないわけだから、ひとつひとつがコミュニケーションの新しい展開になっていくと思うんで。
–––– NEKOSOGIのアルバムはリリースした。
今年の1月3日に自主制作でやらしてもらって。クラウドファンディングみんなの神輿のおかげで作らせてもらって。ありがとうございました。4月22日にジャッジスポ(JAZZY SPORT)から流通が決まって。アナログが6月30日発売の予定です。いい感じにじわじわときてますね。「あいつら、やばくねえ?」みたいなのがはじまってきてて。みんなが新しい地図のなかで勝手に合流できちゃうような。それが無人島フェスになったらいいですね。
写真 = 伊藤愛輔
開催日:5月28日(土)~29日(日)
会場:地ノ島(和歌山県有田市)
出演:犬式(INUSHIKI)、空中水泳、GERONIMO 、鎮座DOPENESS、NEKOSOGI、元晴、ほか
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