【nu position2021インタビュー】ハレという未来への架け橋の時間。

湖畔のローカルフェスとしてコロナ禍の5月に長野・伊那谷のキャンプ場で行われたnu position2021。三密を避けた野外音楽イベントの可能性を探るというコンセプトのもと、昨年に続き2回目の開催となった。東京では緊急事態宣言が継続され、中止や延期になる野外イベントも多いなかで、実際に開催してどんなことを感じたのか。開催したことでどんなことを受け取ったのか。オーガナイザーの佐々木春仁さんに当日のこと、そして開催を終えた心境などをインタビュー。

–––– 開催してみてどうでしたか?

 まず一番に、今年は、梅雨入りが全国的に早く、天気の心配が非常にありました。野外のイベントなので、もちろん雨の対策は行って企画しますが、当日に雨が降ってしまうと、出演者もお客さんも大きくモチベーションが下がってしまうので、毎日、湖畔のハレ日を祈って過ごしてましたね。

 結果、前日までは警戒注意報が出る程の悪天でしたが、当日は、一度も雨に降られることなく、素晴らしい天気のなかで開催出来て、湖畔の水神様に見守られてるような気分になりました。

–––– 開催するにあたって、どんなことを考えていましたか?

 GW明けでコロナの新規感染者が増加しており、この地域(長野県下條村)では感染者も出ていないこともあって、とても気を揉んでもいました。テレビのニュースを見ていても、埒が明かないなと思ったので、イベントが近づくに連れて、テレビからは意識的に離れてましたね(笑)。おおぐて湖のロケーションで、三密を避けた野外音楽イベントの可能性を探るというコンセプトを実証したいという思いが強かったので、徹底できることは徹底しました。当日は、来てくれたお客さんに「思いやりの距離感を持とう!」というスローガンの周知に励んで、会場の安心感を生み出せるよう懸命に努めました。

–––– 今回の出演者に関しては、何かこだわりはありましたか?

 ローカルフェス、ということで、地元・伊那谷から都内や全国へ行って頑張っていたり、活躍しているアーティストをブッキングするように心がけました。地元出身の素晴らしいミュージシャンがいるというのは、地元で生活している人にとっても、誇りや活気に繋がることだと思っています。特に今回は、コロナのこともあったので、できるだけ地元出身のアーティトに絞って、安心感をより高められればと思っていた部分もあります。まだまだ声をかけたい伊那谷出身の素晴らしいアーティストの方もいらっしゃいますし、しっかりとした軸が整えば、また全国から素晴らしいアーティストを招いても喜んでいただけるものになると思っているので、今後も、湖畔に合う素晴らしいアーティスト達をブッキングしていけたらと思っています。

–––– 今回から1泊2日のキャンプイン・フェスになりましたね。

 昨年は初開催ということもあって、正直、キャンプの受け入れまで手が回らなかったんですね。開催前にキャンプの予約が埋まっていき、大盛況になりました。次回も引き続き、キャンプインの企画で出来たらと思っています。ゆったりとフェスの時間を楽しんでもらえる時間がつくれるのはかけがえがないですね。運営側はハードになりますが(笑)。

–––– 出店に関して教えて下さい。

 前回よりも大きく出店数が増えて、体験もののアクティビティも合わせると、40もの出店の方にご参加いただけました。どの店舗もこだわりがあり、お客さんもお店をまわって、とても楽しそうでしたね。クラフトフェアを開催できるような雰囲気にもなってきているので、湖畔フェスの大きなウリのひとつとして、今後も素敵な出店を増やしていけたらと思っています。

–––– イベント規模はどうでしたか?

 土日両日合わせて、1000名近くの方がご来場下さいました。コロナ禍という状況をみなさんが十分に理解してくれていて、みなさんがいい空気感を作ってくれていました。駐車場も拡張したので、コロナが収束した後はますます楽しみです。

–––– 客層はどうでしたか?

 SUPをはじめ親子で楽しめるアウトドアアクティビティをいろいろ用意していたので、音楽を楽しみにくる方以外の方も、地元の方を中心に多くいらっしゃいました。どの方も笑顔が多く、リラックスして湖畔の時間を過ごして頂いているのが印象的でした。バンドもDJもバランス良く配置できていたと思います。

–––– 感染予防について去年の同じ時期と比べての変化などはありましたか。

 緊急事態宣言下ということもあり、もし万が一、感染者が出た場合でも、濃厚接触者に当たる人を出さないようにするということまで考えて今回は取り組みました。考え得るすべての感染対策は行い、二週間経っても感染者の報告なく、無事に終えることが出来て、本当にホッとしています。ちょうど1年前くらいの心境をメモしてあったものが残っていたので見返していましたが、その時は、コロナの全体像が全く見えず、不安な気持ちが今より大きかったと感じています。

–––– 今後、どういった場にしていきたいですか。

 会場となる「おおぐて湖」は、湖畔フェスに合わせて呼吸をするように進化を続けています。会場が進化すれば、また湖畔フェスで表現できることも大きく進歩します。そんな部分も楽しんでいただきながら、参加するみなさんと成長していければと思っています。他では味わえない、風の谷の現代的なお祭りをさらに多くの人に拡めながら、湖畔だからこそ味わえる音楽の時間をクリエイトして、未来をつくっていきたいと思っています。

–––– コロナが収束したら、さらに場所の持つ可能性が広がると思っています。

 回を重ねるごとに協力してくださる方は増えていて、一人ではできないものが湖畔に生まれていると思います。ハレの時間を生むことで、また新たな磁力を呼び込むエネルギーとなっているのは間違いないと感じています。関わってくれた人、地域の方だけではなく、全てに感謝の気持ちを忘れずに、持続可能性の高いフェスを継続していけたらと思っています。

nu position2021

開催日:5月22日(土)〜23日(日)

会場:おおぐて湖キャンプ場(長野県下條村)

出演:​タテタカコ & element of the moment、​アナログフィッシュ、​サトウリュースケ & 上々ブラザーズ、​inner sky、​Tsuyoshi Hosoda(Shimojo vill.)、​MiiNa(After5ive)、ほか

​Activity:​SUP(四徳温泉キャンプ場)、​スラックライン(iijima no slakline)、​自転車発電体験(飯田まちづくり電力)、ほか

出店:​啓榕社(焙煎コーヒー)、​伊那谷本舗(五平餅/御惣菜)、​Chappo (帽子)、​アルニコインディゴ(藍染手ぬぐい/ガーランドワークショップ)、​五月女寛(陶芸)、​Ted company(流木作家)、ほか

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