【Monky】サックスプレイヤーとして未開の地へ。ソロとしてのリスタート。

日本を代表するニューオーリンズ・ジャズ・バンドのサックスプレイヤーとして20年以上にわたって活動してきたMONKY。自分のバックボーンにあるジャズの再検証、そしてジャンルレスなセッションによって新たな自分の音を獲得するために、ソロとして新たな道を歩みはじめた。

文・写真 = 菊地 崇 text & photo = Takashi Kikuchi

-サックスをはじめたのは生徒時代?

M 中学のときに吹奏楽部に入ってバリトンサックスを吹いてました。高校もブラスバンド部にはいたんですけど、バンドブームだったんで友達とロックバンドもやってて。最初に見たライブは三宅伸治さんのMOJOCLUB。それからタイマーズを知り、(忌野)清志郎さんに入っていって。その頃はサックスよりバンドに夢中でした。


-大学でブラック・ボトム・ブラス・バンド(BBBB)を結成したんでしたよね?ニューオーリンズ・ジャズとの出会いはそこで?

M 大学ではチャーリー・パーカーのビバップをひたすら勉強してました。でもそのおもしろさが、最初はまったくわからへんかった。ほんまに吹かれへんし。当時、BBBBのメンバーだったMITCHと一緒に住んでて、MITCHがブルーノートでアルバイトをはじめたんです。MITCHが2000円で入れるチケットをくれて、よくライブを見に行ってました。そこでたまたまニューオーリンズ・ジャズのダーティー・ダズン・ブラス・バンドを見て、衝撃を受けたんです。シンプルな音のやりとりのなかで、強烈なグルーヴが生まれていく。こういうのをやってみたいって思ったんですよ。大学2年でBBBBを結成して、まずはストリートでやってみようということになって。大阪駅の前で演奏したら思った以上に人が立ち止まって聞いてくれ

たんです。


-BBBBと並行して、いろんなミュージシャンとセッションしていました。

M セッションに行ったり現場に行ったりすると、今の音楽の流れとかわかってくるじゃないですか。吸収できるものがいろいろある。ひとつのバンドだけやったらバンドだけの世界になってしまう。いろんなセッションをして、そこで得たものをBBBBにフィードバックしていきました。


-BBBBを脱退した理由は?

M いろんなセッションをもっとやりたくなって、一昨年の11月に辞めたんです。ずっと旅ばかりだったから、一回休んで、ちょっとしたら動きはじめようかと思っていたらコロナが来て。BBBBでは24枚のアルバムをつくってきたけど、自分のアルバムって1枚もない。ソロで活動をはじめましたって言っても、Spotifyに名前も上がってないわけやからね。まずは自分の作品をつくらな、みたいな。


-自粛期間中につくりはじめたわけですね。

M だいぶ前に使っていたMPCを引っ張り出してきて、リズムを組んでベースも入れて。その上にサックスをかぶせていくっていうことをしはじめたんです。自分でカラオケをつくってその上で自分がプレイする。やっているうちに、これでええんかな?と疑問に思うようになったんですね。去年6月の緊急事態宣言が開けた頃、渋谷BYGの社長が「ここを自由に使っていいよ」って言ってくれたので、三宅伸治バンドのJr(高橋”Jr.“知治)さんにBYGに来てもらって、俺が打ち込みでつくったトラックを聞きながらジャムったんです。


-久しぶりに、他の人とセッションしたのですね。

M そう。他の誰かと音楽をつくっていく喜びを改めて感じましたね。それで(金子)巧ちゃんにも来てもらってつくりはじめたんです。


-それがソロとしてのファーストアルバム『emergence』につながっていった?

M ソロになると、自分自身と向き合わなあかん。でもソロの作品とはいえ、メンバーと一緒につくりあげていきました。人がいることで自分がよりわかるっていうかね。自粛が開けてからしばらくは、何回も何時間も、BYGでワイワイやりながらセッションして、バンドをやりはじめた高校時代に戻ったような、バンドってこんなだったなっていうのを思い出した時間でしたね。演奏すんのがやっぱり楽しいって。


-アルバムに収録されているのはすべて新曲なのですか。

M 1曲だけ前の曲があるけれど、やっぱり2020年の空気感を入れたいと思って。去年は、元気になる曲や癒しになるような曲が聞きたくなったじゃないですか。暗いところに連れていかれるようなものはなかなか自分のなかに入っていかなかったし。


-その意味では、コロナがもたらしてくれた時間も有意義な部分もあった?

M MONKYっていうアーティストを立ち上げていかなきゃいけない。ひとりになることで、ひとつひとつがすごく大事に感じられるようになりました。そういう部分では、自分を見つめ直す意味でもいい時間になったと思います。


-サックスだと年齢を重ねることで音はどうなってくると感じていますか。

M 丸くなっていくのかなあ。でも自分としては、半年前よりも今のほうがいいし、一回一回のライブで少しずつ自分がなりたい自分に近づいていく感じはやっぱりあるから。自分の理想像ってもっとシンプルなものなんですよね。いらないものをそぎ落としていきたいと思っています。

取材協力 = 渋谷B,Y,G


1993年、ニューオリンズスタイルをベースにしたブラスバンドBLACK BOTTOM BRASS BANDを関西で結成。96年にメジャーデビュー。97年の1回目の「フジロック」をはじめ、「ライジングサン」や「サマーソニック」など国内外の数多くのフェスに出演を果たしてきた。BBBB在籍中からジャンルレスなセッションやバンドにも参加している。19年にBBBBを脱退しソロ活動を開始。20年11月に1stソロアルバム『emergence』をリリースした。新バンドMONKY & FANCY BIRDSを結成し、渋谷BYGにてマンスリーライブを発信中。https://ienaga2020.com/

MONKY LIVE INFORMATION

6月15日(火)

MONKY AND FANCY BIRDS Live and Streaming from 渋谷B.Y.G

会場:渋谷 B.Y.G

※配信あり 配信URL

6月30日(水)

MONKY and FANCY BIRDS × honey drops

会場:元住吉POWERS2

7月18日(日) 

COSMIC SESSION feat.なかの綾「昭和歌謡&JAZZ」

会場:新丸子宝珍楼

※配信あり 配信URL


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