公園などにある使われていない野外ステージ。遺物のようになったしまった場所を再生し、ライブの新しい場にしようというムーブメントがソラリズムだ。
文 = 菊地 崇 text = Takashi Kikuchi
写真 = 高橋良平 photo = Ryouhei Takahashi
4月12日からのまん延防止等重点措置において、東京都はイベントの開催制限として、ロックコンサートなどは「人数上限/ 5000人」か「収容率/定員の50パーセント」のいずれか少ないほうという決定を出した。コロナの収束が見えてこない状況では、まずはこの基準を念頭にして、オーガナイザーやアーティスト、ハコはライブやイベントを設計していかなければならない。
リアルとオンラインのハイブリッドで昨年秋に開催されたTHE SOLAR BUDOKANによって、佐藤タイジは野外でのライブに新しい場所の可能性を感じとったという。そして新しいライブの場づくりとして「ソラリズム」を提唱。そのキックオフ・ライブが東京・あきる野のライブフォレスト自然人村で4月11日に開催された。出演したのは、ComplianS(佐藤タイジ&KenKen)、清春、金子マリ、なぎら健壱、Momiji & The Bluestones、こでらんに~。選曲DJで民謡クルセイダーズの田中克海が名を連ねた。
ソラリズムは、公園などにあって使われていない野外ステージを再発見して、家族で安心して楽しめる音楽が中心の場をつくっていこうというアクションだ。閉ざされた空間のライブハウスではなく、オープンな場で開催することで、ジャンルや世代も超えることを目指という。フェスよりも祭りに近いのかもしれない。
「 日本各地に使われていない野外ステージがあります。そこにいろんなバンドがツアーできるようになればと思っています。街にある野外ステージですから、通りがかりのおっちゃんにも聞いて欲しい。世代間の分断っていうものを取っ払っていける場だと思うんですね。今日もなぎら健壱さんがいて、金子マリさんがいて、清春くんがいて、20代の若いモミジちゃんがいて。世代間とかジャンル間の分断っていうものが解けるいい機会だと思うんです。ぜひ日本の音楽を応援せんがために、みんなで頑張ってつくっていきましょう。みんなでやればできると思います」とライブの最後にステージで語った佐藤タイジ。
3密にはならないオープンエアな特性を持ちつつも、使われていない野外ステージは、日本中に数多く存在している。場所の再生と音楽(ライブ)の再提案。場所の再生は地域の活性化にもつながる。 ソラリズムは、今までになかったライブシーンを構築しようとしている。
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