【結いのおとインタビュー】地方都市の魅力を発信する街中フェスを未来に繋げるために。

4月に開催される予定だった2020年の「結いのおと」。新型コロナウイルスの感染拡大の危惧から開催を秋に延期。夏に第二波とも言える感染確認者の増加によって、ソーシャルディスタンスが保たれる100人限定のフェスとして開催される。結城の街に点在する特徴を持った会場を行き来し、街を歩くことも「結いのおと」の魅力のひとつだったけれど、会場は一ヶ所に設定された。『結いのおと』実行委員会の野口純一さんにインタビュー。

–––– コロナ禍にあって10月に「結いのおと」の開催を決めた一番の理由は?

 来年は例年の規模感で開催するためにも、コロナ禍の今年も中止せずに無事開催させたいからです。すべては次に繋げるため、田舎では「結いのおと」のような特質した事業はやっぱり実績が大事なのです。たとえ小規模でも2020年に自分達がやりたいこと(結いのおと)を街なかで開催できたという事実を刻みたいと思います。

–––– 結城の街中に多くの会場があることが、結いのおとの魅力のひとつでした。今回は一会場のみとなります。どんな時間の過ごし方をしてもらいたいと思っていますか。

 今回会場となる奥順(株)は、例年でも「結いのおと」のメイン会場です。また結城紬の卸問屋ということもあり、結城の歴史や文化が詰まっています。今回はそんな会場がひとつだけですし、入場は事前予約制なので入場規制もありません。のんびり気持ちにも余裕を持ちながら、会場が醸し出す雰囲気、ステージには結城紬を纏った出演者、地酒やクラフトビールなど結城の地域資源をゆったりと堪能していただければと思います。

–––– 春の開催が延期になりました。ここまで長かったですか?

 いえ、あっという間でした。あまりにもこの半年間が目まぐるしかったので。ただ例年4月以降は別のことを考えていたのに、秋まで「結いのおと」のことを考えていられて幸せです。このままだと来年の4月まで「結いのおと」漬けになりそうです(笑)。

–––– 数多くのフェスが中止や延期になっているなか、出演するミュージシャンはどんな思いを持って、結いのおとのステージに上がると思いますか。

 4月出演予定だった皆さん大切なスケジュールを空けていただき「大丈夫、主催者の意志を尊重します!」と延期について本当に協力的でした。思い出野郎Aチームには、クラファンの支援金を分配していただきましたし。ただ延期でも規模縮小となってしまい、20組以上の出演者からたった4組に絞らないといけない苦渋の選択をすることになり、本当に申し訳ないというか…複雑な気持ちでした。そんな中で出演していただけるミュージシャンは、人前で再びライブできる喜びと「結いのおと2020」を成功させるという思いを会場のみんなと共有してステージに上がってくださると思っています。いまから楽しみです。

–––– コロナの感染拡大を招かないために、「結いのおと」ならではの対策を考えているのですか。

 特にないです。というのも、ここまでコロナ禍で開催してきた全国のフェスのガイドラインを参考にさせていただき対策させていただきます。入場者の管理、3密を避け、マスクや消毒という基本からフェスならではのソーシャルディスタンスを取る対策までと、次のフェスへとバトンを繋ぐためにも同様に徹底します。こうしてコロナ禍のいわゆる『フェス新しいお作法』を確立することができたら。皮肉なもので、コロナ禍の今年ほど全国のフェスのオーガナイザー同志が繋がった年はありません。

–––– チケットがすぐにソールドアウトになりました。これも多くのファンがフェスという時間を待望している証明だと思います。

 すごく嬉しかったです。これだけ反応があると、正直もっと売りたくなりますが(笑)。

そんなファンの皆さまの期待を裏切らないよう運営側も頑張ります。

–––– 物販や飲食の出店はどのくらい予定されていますか。

 今回は飲食3店舗と物販はオフィシャルショップ1店舗と全4店舗になります。ちなみに前回は30店舗超の出店がありました。

–––– 参加する方に、最低限、これだけは守って欲しいということとは?

 開催時間も長いのでアルコールの摂取量など酔いすぎに注意して欲しいですね。自己判断が鈍ることが一番怖いので。

–––– 来年に向けて、どんなことを「結いのおと」から発信したいですか。

もしかしたら覚えている人もいるかも知れませんが…実は『結いのおと』は前回でひっそり幕を閉じたつもりでした。会場でもひっそり終幕の宣言もしました(笑)。でもやっぱりこうして続けています。特に今回に関しては、行動すれば必ず見れるこんなに素晴らしい景色がある。結城にはこうして自らチャレンジできる土壌がある事を改めて発信したいです。

結いのおと2020

開催日時:2020年10月17日(土)11:00~19:00

会場:奥順株式会社(茨城県結城市)

新座敷(ライブ):蓮沼執太&ユザーン、坂本美雨 with 関口シンゴ、奇妙礼太郎、ビューティフルハミングバード

つむぎの館(トーク、ミニライブ、DJ、フード出店など):annie the clumsy&似非animal(WHALE TALX)、NPO法人日本ミュージックフェスティバル協会(菊地崇&三橋晃大)、鍋谷倫明、darman、サンスケ(snokey records)

https://www.yuinote.jp/

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