【FRUEインタビュー】耳と心を開放させたところに存在する「魂の震え」を求めて。

昨年初開催されたFESTIVAL DE FRUE。世界各国から国境を越えて集結した音の伝道師たちのライブは、FRUEのコンセプトである「魂の震えるような体験」になった。今年も、より広く、より深いミュージシャンたちが集う。2回目の今年はクラウドファンディングを成功させての開催となる。オーガナイザーの山口彰悟さんにインタビュー。

–––– 今年の開催を目指し、クラウドファンディングを行いました。目標額に達成した時に、どんなことを思いましたか。

 凄い時代になったと思いました。2000年ころから、内容はとんでもなくヤバいんだけど、集客が足りない、もう1歩が届かないという現実を、ずっと見てきました。イメージとして、クラウドファンドのような仕組みを作ったり利用したりすることができないかと思ったこともありましたが、結局はできず。仕組みが、現実に使えるツールとして落とし込めているという事実に驚きました。そして何よりも、これだけ期待している人が多いということが、ほんとに嬉しかったです。

 ちかごろ、世の中が嘘や誤魔化し、金とコネ、乗っかりみたいなものであふれすぎていて、まっすぐ素直な気持ちが、何かを信じたい人たちの気持ちを動かすきっかけになったのかなとも思ったり。3年後くらいに、FRUEがどっしり定着した際には、今回助けてくれた人たちには、ぜひ一杯、お酒でもおごってあげたいなーと(笑)。

–––– クラウドファンディングの成功によって2年連続の開催となります。去年と比べどんな部分が変わりそうですか。

 お客さんの数が増えます(笑)。来場していただいた方々が気の毒にならない感じまでは持って行けそうな感じです。それでいて快適なところを引き続き守れたらと。

–––– 国も生まれるバックーボーンも違うさまざまな音楽がFRUEというフェスのなかで楽しめることがFRUEの特徴だと思っています。出演するアーティストは、どのようにしてピックアップしているのですか。

 インターネットには国境も文化も関係ありませんよね。SpotifyやSoundcloud、Youtubeでピンとくる音楽を探してます。それから家で聴いて踊ってみます。5〜6回は。ほんとにこのバンドやDJで踊れるのかと試してみるのは大事で、そこで魂も身体的にも踊ることができたら、日本に招聘します。

–––– 「魂の震える音楽体験」がFRUEのコンセプトですが、去年はオーガナイザーのスタンスとして、どんな「魂が震える音楽体験」が味わえたのでしょうか。

 昨年のNO PAセットのジャジューカのときのように、座って鑑賞していた人たちが、気づいたら踊って狂っていく感じ。あんなようなうねりが生まれる瞬間、そして伝播していくみたいな感触というか胎動を感じ続けられているのが、オーガナイザーとしての「魂が震える音楽体験」かもです。

–––– クラブのイベントを中心に行ってきましたが、なぜキャンプインのフェスを開催しようと思ったのですか。

 いや、これは逆です。TPC2006@山中湖にコアスタッフとして関わってから、夢で見るほど野外で開催したいと思っていました。でもやっぱりいきなり野外で開催というのはできなくて、目標を「野外で開催する」ということに定めつつ、地道に足下から固めていこうと思いクラブでのパーティーからはじめました。そして、クラブでFRUEを続けるうちに、野外でFRUEをやってほしいという気運が盛り上がったように感じられたし、体制的にようやく機が整ったと思い、昨年、野外での初開催となったわけです。

–––– FESTIVAL de FRUEで最も大切にしていることとは?

 不易流行と美学。

–––– 今年の特徴を教えてください。

 セオ・パリッシュ@The Hallでの深夜の4時間セットと、アシッド・パウリ@Grass Stageの昼間の4時間セット。このふたつを最初に決めました。このふたつが今回の幹となる2本です。そこからどういう風に枝を伸ばし、葉を広げ、どんな美しい花を咲かせるのかと考えました。ジャンルは、ジャズあり、ロックあり、電子ミュージックあり、テクノあり、エクスペリメンタルあり、民族音楽あり。どこからでも切り込めます。気が付いたら森のようなライナップになっていました。とらわれず、恐れず、耳と心を開いて飛び込んでいただけたら、これまで見たこともないような大きな大きな大樹を、深い森の中で見つけられるかもしれません。

–––– タイムテーブルはいつ発表になりますか?

 1週間前には。もう発表されているかも(笑)。ほんとは、ひと月ごろ前には発表予定だったのですが、確認確認確認や予定外の変更で、結局そのタイミングになってしまいます。もう少し上手に全体を回すことができたらなぁと、いつも思っています。

–––– 飲食や物販の出店は、どんなものがラインナップされていますか。

 ビール、ベルギーの白ビール・ヒューガルデンの生とグースアイランドというアメリカのクラフトの生ビールの2種類。ワインは赤白の自然派ワインを20種ほど。それから日本酒にデブリという代官山に新しくできたDJバーが、おいしいカクテルを出してくれます。出店はオーガニックをキーワードに、愛のある食を提供できる方を募集しました。なお化学調味料(アミノ酸等)やケミカル系添加物の使用は厳禁となっているので、安心しておいしいものを食べてもらえると思います。

––––  音楽が中心にありつつ、自由な雰囲気に満たされていることがFRUEの魅力だと思っています。今年のFRUEはどんな時間になればいいなと考えていますか。

 楽しいを超えた、やっぱり一生忘れられない体験を刻むことができたらいいなぁとか、自分のキャパシティが広がるようなかえがえのない時間になればいいなぁとは思います。今年もまさに夢のような時間と空間が演出できたらと。

FESTIVAL de FRUE 2018

開催日:11月3日(土)〜4日(日)

会場:つま恋リゾート 彩の郷(静岡県掛川市)

出演:Bruno Pernadas、NELS CLINE’S TRIO HADARRO feat. Chris Lightcap & Tom Rainey、Sam Gendel、Theo Parrish、Billy Martin、Yamandu Costa、Acid Pauli、高城晶平、U-zhaan、他


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