閉場したとされる築地市場(場内)に買い物に行ってきた。

 10月11日に取引を開始した豊洲市場。これにともない、築地市場で営業していたほとんどの業者は移転、もしくは廃業した。

 けれど今も築地市場で営業を続けているところがあると聞き、10月16日に買い物に行ってきた。開いていたの「堀富」「船舶」との2軒。「堀富」は築地で一番古いフグの仲卸問屋で、「船舶」はいわば場内のコンビニエンスストア。

「船舶は、築地で働いている人の情報交換や交流の場。豊洲ではこういうY場所がなくなっています」と語るのは茶屋番の猿渡誠さん。

 茶屋番とはどういう存在なのだろうか。建築エコノミストの森山高至さんはツイッターで茶屋番のことをこう書いている。

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 築地市場の「潮待ち茶屋」。この風情ある呼び名が残る茶屋番とは築地市場でも最重要な機能。各仲卸から買い付けられた魚の荷物をいったん配送先ごとに集約監理する場所です。ここからお客さん向けに配送する約300ヶ所の重要拠点、豊洲市場にはこの「茶屋機能」を準備していません。

 「潮待ち茶屋」には徳川家康公に言われて佃孫右衛門が江戸に来て以来、400年の歴史があって魚河岸よりも古い仕組みなんです。茶屋とは単に荷物の配送センターではなく集荷の衛生状態を検査確認し、魚に合わせて手当をして管理発想することが重要なんです。その仕組みが築地には出来上がっている。

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 豊洲に市場が行くことによって、江戸時代から続いてきた日本の食文化が消えてなくなるかもしれないという。

「築地は魚の命と真剣に向き合ってきました。食べるということで命をいただく。海水を使って掃除をする。そうするとゴキブリなどの虫はわいてきません。築地を守っていくには、憲法で保障された財産権として認められている営業権をもとに頑張っていくしかないんです」と猿渡さん。

 まだ何十軒もの業者が、築地の営業権を有している。10月18日は、都がこの日から築地市場の解体をはじめると通達した日だという。この日も築地場内では何軒かが営業を続けている。築地市場に買い物に行きたいという人は、11時に築地正門前に。

 

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