【The Jungle Rhythm Sectionインタビュー】GOMAの未知なる世界への挑戦。

GOMAの活動20周年を祝う「JUNGLE FESTIVAL」の開催が近づいてきた。2009年に不慮の事故によって記憶の一部を失ってしまったGOMA。自分の分身とも言っていいディジュリドゥさえ、これが何なのかがわからなくなっていたという。GOMAを再び音楽に戻らせてくれたのが、ディジュリドゥであるThe Jungle Rhythm Sectionのメンバーたちとのセッションだった。今年The Jungle Rhythm Sectionとしては9年ぶりとなる新作アルバムがリリースされた。The Jungle Rhythm Sectionの3人が語る現在のGOMA。

–––– THE JUNGLE RHYTHM SECTIONが結成されたのが2004年でした。このバンドはそれぞれにとってどんな存在なのでしょうか。

田鹿 リズムとディジュしかないというシンプルな構成なんですけど、人にイメージを持ってもらえる余白を作られるバンドだなと思います。ある種の抽象性もすごくあるし。

 GOMAちゃんという存在が突出はしているんだけど、みんなでやっている音楽自体は唯一無二のもので、自分でもここでのプレイでしか味わえない感覚があります。

椎野 14年前と変わった部分というのは、初期の頃は自分の手癖足癖っていうものをぶつけて、GOMAちゃんとのなかで曲ができあがっていく感じだったんだけど、事故後の変化というものもあるんだろうけど、より感覚的に俺たちに求めてくるフレーズがあったりするんです。それはGOMAちゃんのなかで聞こえているものなんだと思う。最初は「うん?」って理解が難しかったりすることもあるんだけど、実際に試してみて形になると、決して俺からは出ない独特なおもしろさもあるんです。

–––– そして新作としては9年ぶりとなるアルバムがリリースされました。

 結果を求めてこなかったというか。気が付いたら9年も経過していたという感じです。事故後はゴールを決めて目標設定してやってきたわけじゃないから。

椎野 アルバムとして作品に仕上げる作業が、前回までの2作と違いがありましたね。それが新しいGOMAちゃんの感覚なんだと思う。ライブでやってきたものをライブレコーディングのように収録してきたのが1枚目と2枚目。新作はライブで慣れてきたものをレコーディングで、アレンジにしろビートにしろもうひと味加えて、作品にすくっと仕上げようとした。

田鹿 個人的には、違った聞こえ方がする今回のアルバムの骨になっているのは「ディスコ」だと思うんです。前がトライバルな感じのものだとするならば、新作はもっとステディな感じのディスコな作りだなって。

–––– 新たなJRSのスタート、という感じなのですね。

 GOMAちゃんにとっての20周年。JRSとしてもGOMAちゃん個人にしても、これから続く再スタートの年なんだと思います。

田鹿 わりかし付いていくだけなんですけどね(笑)。付いていくためにまた新たに学ぶことや、できないことをできるようにするとか。僕らからも新しいものをプレゼンする機会もあるでしょうし。

椎野 どうしても固定概念というか、俺はこうなんだっていうことが出てくることがあるんだけど、それが取り外せて、まったく真っ白な状態でプレイできたらいいなって思っています。それができたときは新鮮な感覚は味わえるんですよね。新作でもそういう部分があって、自分の未知なる部分を引き出してもらえることがうれしいし、それが一緒にプレイすることの喜びでもあるわけですから。

GOMA&The Jungle Rhythm Section

ディジュリドゥ・アーティストGOMAを中心としたもっとも熱くもっとも踊れる最強グルーヴ・バンド。電子楽器を用いずに怒涛のリズムとディジュリドゥのセッションによる野生のグルーブを生むパフォーマンスが、野外フェスやパーティシーンで大ブレイク。2009年GOMAが交通事故に遭い活動を休止。2011年再起不能と言われた事故から苦難を乗り越えフジロックフェスティバルにて大復活。2012年復帰までの道のりをバンドのライブ映像とGOMAの日記のみで描いた映画『フラッシュバックメモリーズ3D』が東京国際映画祭にて観客賞を受賞し動員数2万人を超える大ヒットを記録した。2018年、約9年ぶりとなる待望の新作『STARTING OVER』を発表。フジロックへの出演も果たした。メンバーは椎野恭一、田鹿健太、辻コースケ。

JUNGLE FESTIVAL 2018

会場:千葉県白浜フラワーパーク(千葉県南房総市白浜町根本)

開催日:10月20日(土)

出演:GOMA、GOMA&The Jungle Rhythm Section、中村達也、EGO-WRAPPIN’、GOMA meets U-zhaan


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