【小笠原ミュージックフェス/インタビュー】復帰50年の年に、フェスで魅力を世界に発信する。

東京から船で24時間。小笠原に行くのには最低でも6日間必要で、もしかしたら国内で東京からもっとも「遠い場所」かもしれない。世界遺産でもある小笠原は、今年返還50周年を迎えた。50周年の記念イベントの一環として、「小笠原ミュージックフェス」が開催される。アット・ジ・アース・プロジェクト代表の多賀健太郎さん、小笠原ミュージックフェスティバル実行委員会代表の斎藤崇志さんに、小笠原でフェスを開催する思いを聞いた。

–––– 小笠原ミュージックフェスは、去年までは小笠原アイランドジャズというタイトルでした。ジャズアイランドを含めると、何回目の開催になるのですか。

斎藤 3回目になります。

–––– 小笠原アイランドジャズが生まれたきっかけを教えてください。

多賀 2015年に夏に東京都墨田区の「すみだストリートジャズフェスティバル」を運営するメンバーが、お酒を飲みながら、大好きな場所で大好きな音楽を響かせるならばどこがいいか考えたときに、出てきた場所が小笠原諸島です。世界自然遺産小笠原諸島を舞台にしたイベント。そのときとてもわくわくした気持ちになったのをよく覚えています。小笠原諸島の魅力を体感して、広く発信するようなイベントにしようと「アット・ジ・アース プロジェクト」という団体をつくり、想いのあるアーティストや島民を巻き込んで、半年間の準備期間で関係者の心に残る素敵なイベントを開催できました。このイベントが小笠原の人々の財産となることを望んで運営してきましたが、小笠原諸島返還50周年をきっかけに、島民が中心になってこのイベントを運営してくれていることをうれしく、そして頼もしく思います。

–––– 今年小笠原諸島返還50周年の記念の年です。その年にミュージックフェスを開催する意義を教えてください。

斎藤 返還50周年記念イベントの一環として、音楽で50周年を祝います。返還後の50年の歴史のなかで、島内におけるバンド活動やライブイベントは充実し、小笠原アイランドジャズのような大きなイベントも開催されるまでになりました。今後の小笠原の音楽シーンへの期待を込めつつ、ミュージックフェスを通して小笠原諸島の魅力を世界に発信できればと思っています。

–––– 小笠原ミュージックフェスは、どんな特徴を持ったフェスですか。

斎藤 小笠原ミュージックフェスティバルは、世界自然遺産小笠原諸島、父島・母島合わせて人口約2600人の最果ての島々で開催されるフェスです。島外からフェスに参加される出演者や参加者は、定期船「おがさわら丸」に乗って片道24時間、6日間の旅を共にします。「日本で一番遠い場所で開催されるフェス」と言っても過言ではないでしょう。音楽と人、豊かな自然が一体となり、唯一無二の体験になることを期待しています。

–––– 10月後半の小笠原はどんな気候ですか。

斎藤 晴れていれば「真夏」と感じると思います。海水温は暖かく、海パンで泳げます。日焼けも注意が必要です。ただし、ボートで沖へ出たり、天候が崩れたりすると寒くなりますので、薄手のジャケットをご用意ください。

–––– 小笠原の魅力を教えてください。

斎藤 豊かな海。南国の楽園。特異な文化・歴史。大自然に囲まれた環境のなかで、日々新たな魅力を発見できる場所だと思います。

–––– 父島と母島のふたつの会場で開催されます。このふたつの島のそれぞれの特徴を教えてください。

斎藤 父島は人口2153人、母島は456人。50キロしか離れていませんが、自然環境も生活環境もそれぞれ違った特徴があります。人口の違いにより、父島は多様性に富み、母島は一体感があります。「父・母」の違いや特性を体感すると、小笠原の更なる魅力を発見できると思います。

–––– このイベントを通して、そして小笠原での数日の体験で、どんなことを持ち帰ってもらいたいですか。

斎藤 旅を共にする仲間や、フェスを通じての島民との交流、小笠原の自然・感動体験はもちろんのこと、小笠原のライフスタイルに触れ、帰りの船で「また来たい」「今度はこうしたい」「こんな世の中になったら良い」など、次に繋がるきっかけを持ち帰っていただけたらうれしいです。また、戦後アメリカ統治からの返還50周年を記念したイベントとして、小笠原はもとより、戦後日本が歩んできた歴史に思いを馳せていただけたら幸いです。

–––– これから、どんな小笠原になっていけばいいと思っていますか。

斎藤 小笠原諸島返還50周年のスローガンは「夢受け継いで50年、未来へ羽ばたけ小笠原」です。人それぞれ様々な想いがありますが、豊かな自然を守り、更なる文化育成を目指し、みんなが愛する「小笠原」を後世に残していければと思います。

Ogasawara Music Festival

開催日:10月27日(土)〜28日(日)※船の旅程としては25日(木)〜30日(火)

出演:父島大神山公園、母島脇浜なぎさ公園

出演:SPEAK NO EVIL feat. Hironobu Saito、HOME GROWN with Spinna B-ILL、BimBomBam楽団 feat. 竹廣類、松永希 Ogasawara Special UNIT feat.山内アラニ雄喜、他


0コメント

  • 1000 / 1000