【ブラリフェス/FESTIVAL de FRUE】知らない世界を味あわせてくれるライブという深い時間。

FESTIVAL de FRUE 2017 

11.03~04@つま恋リゾート彩の郷

 今年の秋フェスで、もっとも期待し、もっとも胸を躍らせていたのが「FRUE」。なんてったって、あのジャジューカが初来日する。モロッコのリフ山脈南側に位置するスリフ族の村で数千年とも言われるほど長く継承されてきた音楽は、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズやオーネット・コールマンを魅了してきた。ヨーロッパでさえほとんどライブをしていないはずなのに、本当に日本までやってきてくれる。ジャジューカだけではなく、ファビアーノ・ド・ナシメントやババズーラなど、ここでしか見ることのできないアーティストがラインナップされている。直前のインタビューでオーガナイザーの山口彰悟さんは、「このフェスを開催する遠因として、TPC(トゥルー・ピープルズ・セレブレーション)がなくなったこととフジのオレンジコートがなくなったことは少なからず影響があるかもしれない」と語っていたけれど、確かにTPCやオレンジコートでしか呼んでくれないようなバンドのライブばかりだった。

 フェスでは、実はライブに集中できないこともある。けれど「FRUE」はライブに集中させてくれた。フェスの基本はライブのクオリティにあることを再確認させてくれた。数多くのフェスが開催され、出演するバンドもそれほど変化がなく、様々なコンテンツを用意する傾向にあるフェス。そうじゃなくて、ライブとはどういう体験なのか、ライブとはどういう時間なのかを教えてくれたような気がする。

 スタッフの多くはTPCに関わってきた仲間たちだった。いろんな音を体験してきた大人の不良たち。人気があるとか、このアーティストが出れば人が呼べるということではなく、音楽の本質とは何なのかを「FRUE」で体感できた。

 ジャジューカは、土曜深夜のNO PA SETを含めて3セット。すべて違う音世界を浴びせてもらえた。特に音の波が止まらなかったNO PA SETは、今までに体験したどのトランスとも違っていた。静かな音であるはずなのに、脳の中でその音が拡散していくかのようだった。

 お客さんが少なかったのが残念。新しい音にフェスで出会って欲しいと思う。それを提供してくれたのが「FRUE」だった。次には見ることができないかもしれない本物のマスターたちの演奏は本当に刺激的だった。

 

 

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