【ブラリフェス/JAM CAMP i n OZE】年齢を超えた音のセッションによるコミュニケーション。

JAM CAMP i n OZE

21.09.19-20@尾瀬パークホテル

 2011年が最後の開催になった「UEDA JOINT」。このフリーフェスのオーガナイザーだったTOSHIZOが「UEDA JOINT」とほぼ同じ時期にスタートさせ、継続して開催してきたのが「SUGADAIRA JAZZ WEEK」だ。コロナ禍になり2020年は会場を菅平から尾瀬に移して開催。その2回目が21年も開催された。

 ライブが中心のメインステージと誰もが自由に参加できるセッションステージのふたつ。これは「JAZZ WEEK」時代から変わっていない。周りが木々に囲まれたメインステージのライブも良かったけれど、セッションステージでの自由さここそがこのフェスの醍醐味なのだろう。楽譜があるわけでも演奏する曲が決まっているわけでもない。誰かが楽器を手にして弾きはじめることで、その音に引き寄せられるように誰彼となく加わっていく。小学生でも中学生でもかまわない。楽器も自由に使わせてもらえる。年齢を超えた音楽を一緒に奏でることによるコミュニケーション。演奏することの楽しさと音楽の自由さを、子どもたちは味わっていたに違いない。体験することによる学び。TOSHIZOがこのフェスを続けている意味がはっきりとわかった。

 SNSでの告知を制限するなど、このフェスの開催情報はネットではなく人づてに伝わっていった。無制限に解放するのではなく、顔がわかるコミュニティ。台風一過により19日からはフェス日和となった。コロナが常に頭のどこかに住み着き、なかなか解放できていなかったけれど、森のなかのここでは十分すぎるほど心をオープンにすることができた。音楽の核心に触れられた小さなフェスからの大きな一歩。みんなが本当の参加者になれるフェスだ。

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