日本では映画『ブルース・ブラザース』のジェイクとして人気を獲得していたジョン・ベルーシ。この映画が公開されたわずか2年後の1982年に急逝してしまった。
ジョン・ベルーシのアメリカでの人気の源泉はどこにあったのか。日本では、なかなかわかりにくかったかもしれない。アルバニア系移民の子供として生まれ、シカゴの即興コメディ劇団からキャリアをスタートする。シカゴでの成功を足がかりに、ニューヨークに拠点を移す。そして75年には『サタデー・ナイト・ライブ』がスタートし、アメリカン・コメディを代表する存在になっていく
このドキュメンタリー映画『ベルーシ』のなかにこんな言葉が出てくる。
「セックス、ドラッグ、フェミニズム、ロック、市民権…。60年代の反抗的なスタンスを持った文化を反映したテレビが『サタデー・ナイト・ライブ』だった」。
60年代から70年代のかカウンターカルチャー&ヒッピーカルチャーをつなぐアイコンとしてのジョン・ベルーシ。それをコメディであったり音楽であったりで表現したからこそ、ヒップな存在として、アメリカの多くの人が熱烈に支持したのだろう。
高校時代からの恋人で、仕事面でも彼を支え、後に妻となったジュディスが、このドキュメンタリー映画の製作に協力。彼女の自宅の地下室に保管されていた貴重な未公開音声テープと、ベルーシがジュディスに宛てた大量のラブレターや詩が物語を牽引する。ジョン・ベルーシの言葉だけではなく、ブルース・ブラザースの相棒でありダン・エイクロイドやキャリー・フィッシャー、『アニマル・ハウス』などの映画監督だったジョン・ランディス、そしてジュディス・ベルーシの証言を折り込みながら、少年時代から33歳で亡くなるまでを描いている。ジョン・ベルーシがどんな人間だったのか。そして時代がなぜ彼を求めていたのかが見えてくるドキュメンタリー映画だ。家族に、友だちに、ファンに。多くのアメリカ人が愛してやまないジョン・ベルーシの魅力が伝えられている。
Belushi © Passion Pictures (Films) Limited 2020. All Rights Reserved.
監督・脚本:R・J・カトラー
アニメーション:ロバート・バレー
声の出演:ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、チェビー・チェイス、アイヴァン・ライトマン、ジェームズ・ベルーシ、ローン・マイケルズ、ペニー・マーシャル、ジョン・ランディス、ハロルド・ライミス、キャリー・フィッシャー、ジュディス・ベルーシ
2020年 アメリカ ドキュメンタリー /108 分 ビスタ / 原題: BELUSHI/ 日本語字幕:大塚美左恵
配給・宣伝:アンプラグド
12月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
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