【三条楽音祭インタビュー】新たな拡がりと2021年に繋げるためのオンラインフェス。

今年12回目の開催となる三条楽音祭。地元を盛り上げ、地元の魅力をフェスを通して感じてもらいたい。そんな思いのもと、入場無料にこだわって開催を続けてきた野外フェスだ。会場は自然豊かな森のなかの公園。しかし、今年は会場にみんなが集うのではなく、オンラインで行われることになった。オンラインというコミュニケーションの中で、音楽(ライブ)だけではなく、何をフェスは伝えていくのか。オンラインから始まるフェスを媒介にした地域と都市との交流の新たな一歩。三代目実行委員長の大橋賢太さんにインタビュー。

–––– 地域を盛り上げることを第一の目的に入場無料で開催されてきたフェスを、オンラインでも開催しようと考えた理由を教えてください。

 新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、地元住民の方々やお客さんの健康リスクを第一に考え、一度は中止を考えました。でも今年開催できず、仮に来年も状況が好転しなかったら、このままズルズルとフェードアウトすることになってしまうかも…という恐れが漠然とあり、そこに市長から「ただじゃ転ぶなよ」という一言と三条市のバックアップの気持ちをいただき、2021年の三条楽音祭に繋げるために、自分たちに何ができるかを考え、ライブ配信に挑戦することにしました。

–––– まだ開催前で実感として掴めていないと思いますが、オンラインのフェスの可能性をどう感じていますか。

 楽音祭に来たくても来ることが出来ないお客さんに見てもらえる。インターネットが繋がっていれば世界中どこからでも見ることができる、そこは大きな魅力です。例えば、高齢だったり、お子さんが産まれたばかりだったり、体に不自由を抱えている方も参加するハードルがグッと下がる。

 個人的には、平時でも都市のライブハウスと地方の飲食店が包括契約を結んで、都市でしか見れなかったり、なかなか地方に来れないアーティストのライブを地方のバーでリアルタイムで見れるようになったらいいのに、なんて考えるようになりました。飲食店はドリンクが出るし、お客さんは地方でも頻繁にライブを楽しめる。レコード会社とか、マネージメントとか、面倒なハードルはたくさんありそうですけどね。

 今後は多拠点でアーティストを繋いでオンライン上で大規模フェスが可能になったり、その日限りのオンラインマルシェが出現したりとか。今はスマホやモニタ―の前で見ているけれど、5Gが普及してVRの中でライブに参加するような時代が来るのだろうなと思います。

 でも「その時」「その場所」「その場にいる人」と一緒に音楽を全身に浴びて盛り上がって、ハグして乾杯できる瞬間を共有できる生のライブが一番好きです。そのライブスペースの可能性を広げられるような役割としてオンラインが普及していくのはいいことだと思います。

–––– 今回の出演するアーティストは、どんな思いで選定したのですか。

 例年の会場である、中浦ヒメサユリ森林公園の自然の中で聞いて気持ち良くなるバンド、家でもその雰囲気が味わえるラインナップです。毎年、新潟のバントと県外のバンドと合わせているので、今年もそのようにしています。東京から参加してくれるアーティストですが、TAMTAMは去年、SAIRUは2017年と2018年に三条楽音祭に出演しくれています。RIDDIMATESは初めてですが、サックスの黒須さんは去年のHei Tanakaで出演してくれています。 コロナ禍で楽音祭をオンライン開催すると決めた時に相談し、みんな、快諾してくれました。新潟のアーティストは、県内のパーティーシーンで活躍中のGOOD TRIP EXPRESSと、2019年のFUJI ROCK FESTIVALのROOKIE A GO GOに出演し若手で人気上昇中のE.sceneです。

 はからずもチルな感じで家の中やお店でも楽しめるラインナップとなりました。東京から届いた映像もめちゃくちゃかっこいいので、あとは僕らのがんばりで新潟の生配信を届けきるだけって感じです。

–––– ライブ以外にコンテンツは予定されているのですか。

 ① SNSキャンペーン(9月13日23:59まで延長決定)

 いつもなら、楽音祭の前後日で観光や買い物をしてくれるお客さんがいらっしゃるのですが、今年はそれができないので、地場産品を紹介し、使ってもらえるように考えたキャンペーンです。三条楽音祭の会場で撮影した過去の写真や当日のライブ配信を楽しんでいる様子を「#プレイバック楽音祭」「#三条楽音祭」のハッシュタグと共にInstagramやtwitterに投稿すると、燕市や三条市の豪華地場産品が当たるキャンペーンを行っています。 景品は三条市や燕市の逸品を揃えました。

 ②ステッカーキャンペーン

 今年は、楽音祭の会場でご飯が食べられない代わりに三条市内の飲食店で美味しいご飯を食べに出かけてもらえるよう考えたキャンペーンです。「三条楽音祭」と会計時に言ってもらえると三条楽音祭のスペシャルステッカーがもらえます。

 ③パブリックビューイング

 新潟県内のアウトドアショップWEST様全店でパブリックビューイング開催予定です。ありがたいことにWEST様からお声がけいただき、あれよあれよと実現の運びとなりました。お店の敷地内にある芝生の上や、CAFE内でパブリックビューイングします。キャンプチェアにゆったり座って、ドリンクを飲みながら、まるで会場にいるかのように楽音祭Onlineを楽しんでもらえると思います。

–––– 今年のオンラインから来年へ。どんなことをつなげていきたいと思っていますか。

 今年の楽音祭Onlineは、映像配信なんてしたことない僕達素人が、プロのアドバイスを受けながら一から覚えて挑戦しています。いつもとは違う楽音祭をみんなでゼロからイチにしようと作っています。必死で練習して上達しているのが実感できるとみんなテンション上がって目がキラキラしています。先代から引き継いで作ってきた三条楽音祭なので、実はゼロからイチ全てを作るのは今回が初めてなんです。先代の苦労も身に沁みながら、これを成功させればひとつ成長することが出来そうな気がしています。今年の映像配信が成功すれば、来年は、中浦ヒメサユリ森林公園の会場での様子を配信や収録ができるかもしれないです。配信や収録ができれば、その年、三条楽音祭に来ることができなくても、映像を見て翌年に足を運んでくれるかもしれない。中浦ヒメサユリ森林公園に来たことが無い人が、楽音祭じゃなくてもキャンプしに来てくれるかもしれない。僕たちが今回成長できた分、下田地域がもっと盛り上がる可能性が広がるよう貢献できたら嬉しいです。

–––– 三条楽音祭の楽音祭 Online 2020、見どころを教えてください。

 新潟のバンド生中継と東京での撮りおろし映像のMIXしてお届けします。 いつもの野外での三条楽音祭とは違う、VJの映像と合わせたライブパフォーマンスや、新曲含む映像など、新潟と東京を繋ぐ今年限りの楽音祭Onlineをお楽しみください。

–––– オンラインフェスを通して、どんなファンとつながっていければと思っていますか。

 今まで三条楽音祭に興味あったけど行けなかった人や、今年も行きたかったけど楽音祭Onlineの開催を喜んでくれている人、初めて家族でオンライン配信を見てくれる人など、

いろんな人に見て欲しいです。コメントお待ちしております(笑)。

–––– 2021年に向けてメッセージをお願いします。

 三条楽音祭を覚えておいてもらえるよう、2021年に繋げるために今年は楽音祭Online開催にしました。いつもとは違うカタチでの開催ですが、未来に繋げること、継続させることの大切さが伝えられるといいな、と思います。是非、当日は美味しいご飯やお酒を片手に、ゆったりとしながら楽音祭Onlineをお楽しみください。来年は、中浦ヒメサユリ森林公園にみんなで集まって乾杯しましょう!

三条楽音祭 Presents 楽音祭 Online 2020

開催日時:9月13日(日)15:00〜20:00(予定)

LIVE PERFORMANCE:TAMTAM [from TOKYO] 、 SAIRU [from TOKYO] 、RIDDIMATES [from TOKYO]、E.scene [from NIIGATA] 、 GOOD TRIP EXPRESS [from NIIGATA]


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