【Lake of Soundsインタビュー】昼のフリー・チル・パーティーとオールナイトのアート&ダンス・パーティー。伊那谷から発信するフェスカルチャー。

南信州の伊那谷。標高700メートルの場所にあるキャンプ場&旅館でパーティーが開催される。昼には野外でのマーケットとチルミュージックのフリーパーティー、夜は会場を旅館に移してオールナイトのアート&ダンスパーティー。秋が深まるこの時季に開催する思いなどをLake of Soundsオーガナイザーの春草さんに聞いた。

–––– 昨年はクラウドファンディングを利用してフリーパーティで9月に開催されました。今回の特徴を教えて下さい。

 昨年は、主催のおおぐて湖キャンプ場のオーナーと地元地域おこし協力隊の協力で、クラウドファンディングという仕組みを利用してフリーパーティで開催させていただきました。実際のところ、クラウドファンディングの仕組みが、返礼品のリターン目的になってしまう部分が多く、本質的な意味での地域フェスカルチャーに関する賛同支援は、正直、多く得ることができませんでした。

 そういった経験から、漠然と広く社会に理解を求めるよりは、裾野を広げながらも、好きな人達により響く内容のものを組み立てていきながら継続していくことが多くの可能性を秘めていると考えるようになりました。

 今回の特徴は、キャンプ場を使った昼の時間帯のフリー・チル・パーティーとオールナイトで開催する旅館内のアート&ダンス・パーティーの2部構成になっているところです。朝まで踊りきった後は、湖畔の自然で癒されてもらいたいと思っています。

–––– そもそもLake of Soundsはどんなきっかけでスタートしたのですか。

 主催者の故郷が開催場所の「おおぐて湖」でもあるという点も大きいんですが、20代を東京で過ごし、実家を継ぐためUターンした時に、地元でも自分が魅力的に感じて遊んできたカルチャーをカタチにできないかと思ってスタートしたことがきっかけです。

–––– 11月後半は伊那谷はかなり寒くなることが予測されるのですが、この時期に開催を決めた理由は?

 会場との兼ね合いという部分が大きいのですが、旅館しらさぎ荘の館内も利用すれば、夕方からの寒さを凌いで、音で遊べる空間が創れると思ったからです。

–––– キャンプインする方はどれくらいを想定していますか。また会場の旅館での宿泊は可能ですか。

 キャンプインで楽しんでくれるお客さんは、10組くらいを想定しています。今はアウトドアグッツも充実しており、おおぐて湖キャンプ場でも冬キャンプを楽しむお客さんが多くいるので、そういった意味では、特別厳しい季節でもないとは思っていますが、明け方は5度以下に冷え込むので、しっかりとした防寒や暖房グッツは必須です。

 会場旅館での宿泊は受け付けていませんが、チル・ルームとしてくつろいで利用してもらえる部屋をいくつか開放しているので、屋外での宿泊が厳しい方は、そこで暖をとりながら譲り合って過ごして貰えればと思っています。

–––– 会場のおおぐて湖キャンプ場、おおぐて湖畔しらさぎ荘の特徴を教えてください。

 長野県は南信州・伊那谷。下條村の標高700m。ひっそりと姿を隠すかのように穴場として存在している全周500m程のプライベート感のある湖「おおぐて湖」の畔にあります。

 おおぐて湖キャンプ場は、湖畔ロケーションで非日常感が味わえ、冬場では長野県人気1位のキャンプ場の2年連続でランクインしています。

 旅館しらさぎ荘は、家族経営で創業47年目。もともとは宴会宿。英語に直訳すると、パーティー・ホテルですね(笑)。現在は東京でデザインの仕事をしていた息子が代を引き継いで2年目になります。アートインスタレーションや新しいサービスも積極的に取り入れ、今年の夏からスタートさせた星見テラス客室は、アウトドアと旅館の新しいサービスの組み合わせがウケて、早速人気が上がってきています。

–––– .今年は春にも開催されました。今後も、年に2回の開催を考えているのですか。

 Lake of Soundsは、あと3年で迎える「おおぐて湖畔しらさぎ荘の50周年記念イベント」に向けて、企画を強化している側面もあります。状況を判断しながら、必要な回数を重ねていければと考えています。来年5月後半は、2泊3日でのLake of Soundsを予定しています。

–––– 昼のフリーパーティと夜のオールナイトパーティー。どんな時間になることを描いていますか。

 Lake of Soundsの昼のフリーパーティーと夜のオールナイトパーティーには、それそれコンセプトになるサブ・パーティー名がついています。昼のフリーパーティーは、湖畔で公園のように家族や友人達と楽しく過ごしてもらうというコンセプトで「Lakeside Park」。お日様が温かく照らしてくれる中で、心地の良い音と時間が流れたらと思っています。夜のオールナイトパーティーは、8年後にリニア中央新幹線が伊那谷へやってくる未来をイメージして「Linear the Future」。

 現在、陸路の中で都会から遠い地でもあるこの地域は、リニアが通ることによって、東京から40分、名古屋から20分のアクセスの地に変貌を遂げます(現在は東京から車で4時間、名古屋から2時間…)。そんな高速アクセスが可能になる時代に、伊那谷は大きな変化を迎えると予測しています。アートや音楽、空間のデザインやコンテンツから、感性を育み、魅力的な未来をイメージできるポジティブな時間にできたらと思っています。

–––– 参加予定の方に、これだけは守ってほしいということ、これだけは忘れないでほしいというものがあれば教えてください。

 今回、会場となるおおぐて湖付近には、一般の方の住宅も点在しています。大きな音を出す音楽イベントには、地元の方の理解や協力があった上で成り立っています。Lake of Soundsを継続して開催していくためにも、近隣への配慮と、カルチャーへのリスペクトの心を持った上で参加していただければ幸いです。

 音楽やパーティー、アートは、国籍や国境を越えて楽しめる可能性のあるコンテンツ。ボーダレスに世界から湖に遊びに来てくれる人が増えるといいなと思っています。

Lake of Sounds 2019 Autumn 〜Lakeside Park & Linear the Future vol.2〜

開催日時:11月23日(土)9:00〜24日(日)6:00

会場:おおぐて湖キャンプ場 (星見テラス)/おおぐて湖畔しらさぎ荘宴会場

出演:miffrino feat.Reo Matsumoto(松本族) & Seiichi Sakuma(digda)、Dobashi Channel、YUYA(Antu Records)、TAKE(Occulta Records)、DJ MOG (Uroboros Records)、Matsusaka Daisuke(Off-Tone)、他

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