もっと気軽に普通に、ヘンプを日常に。【phateewear】

文 = 甲藤麻美 text = Asami Katto


 Phateeは2001年に生まれたヘンプアパレルブランド。誕生のきっかけとなったのは代表の三島一弘さんと1枚のTシャツとの出会いだった。


 「最初にヘンプTシャツを着たとき、衝撃を受けたんです。新品なのに良い意味で古着のような風合いで、とびきり気持ちが良くて。初めての感覚でした」


 そのTシャツとはアメリカのアウトドアブランドMANASTASHのもの。ただ「品質は悪かった」とキッパリ。


 「すぐに伸びるし色も落ちる。だから『世界一のヘンプTシャツが作れるから俺に任せてくれ』とシアトルまで売り込みに行ったんです」


 当時から服作りをしていた三島さんは、そこで創設者のロバート・ユングマンさんと意気投合。シアトルを拠点にPhateeを立ち上げ、09年に拠点を東京に移すまでは、ふたりでブランドを運営していた。


 MANASTASHのTシャツでヘンプに出会うまで環境への関心はなかったという三島さん。それが今ではヘンプやオーガニックコットン、リサイクルポリエステルを採用。さらに、運営会社のドーンで使用する電力は早くからグリーン電力(バイオマス)でまかなっている。


 「持続可能性を意識して服作りをしていますけど、それを積極的に表に出したことはなくて。お客さんには僕自身がそうだったように、ヘンプのことを知らなくても手触りや着心地、デザインで商品を選んでほしいと思っています」


 その言葉の通り、 Phateeにはナチュラルテイストからジャケットなどのカッチリ系、そして遊び心のあるアイテムまで幅広くラインナップされている。


 「今のままではヘンプはマニア向けの繊維になってしまうかもしれない。もっと気軽で、普通でいい。多くを語らないことで良い意味での偏見みたいなものを取り払い、いろんな方に手にしてもらえたらと思っています」

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