【森波インタビュー】次世代に伝えていくリアル・ミュージック。

東北の小さな町で野外パーティーが継続的に開催されている。開催当初はキャンプインで行われ、今は能舞台に会場が変更になった。質の高い音楽を奏でるアーティストたちを集め、そのライブを体験してもらう。この思いはブレることはない。なぜ小さな町に音楽が必要なのか。オーガナイザーの柴田道文さんにインタビュー。

–––– 11回目の開催となる2019年。今年の特徴を教えてください。

 サルサバンド、ターンテーブリスト、ロックスター、ヒップホップ…とこれまでもそうでしたが、多様な最高の出演者に恵まれたことですかね。

–––– 7月のこの時期に開催する理由は?

 運営側が年齢を重ね、子どもの行事やらで6月は時間を取られることが多くなってきたのが最大の理由です。端的に続けるための方策です。

–––– どんな出店が並ぶ予定ですか。

 飲食は東北各地の音楽で繋がってるお店の方々に出店していただいてます。今回は地元で活躍してる出店者さんも複数出店していただきます。物販も基本は音楽での繋がりが強い方々です。例年通りと、そうでないものと。今回初出店の方も含め、かなり多様でおもしろい出店者さんにお集まりいただきます。ご期待ください!

–––– キャンプインフェスから街中へと会場は変わっていますが、森波として変わっていない部分もあると思います。変わっていないこととは?

 とにかくこのパーティーを続けることが、会場の移転の最大の理由でした。運営が明らかに限界に達していたので即決でした。正直、いろいろ代償は大きかったと思います。ただ救われたのが、開催当初から森波を知り尽くしてる方が、能舞台へ会場移転した最初の年の感想を「場所が変わってもグルーヴはいっしょ」って言ってくださって…泣きました。すべてその言葉に集約されていると思います。

–––– ホームページに「お子様大歓迎」と記されています。高校生以下を無料にしている理由は?

 1回目の開催から11年が経過し、お客さんも含め、森波を支えていただいてる方々の生活が大きく変わってきたと思っています。そのなかで、「子どもが小さいから行けない」という理由から、行きたくても森波に来場できない、ということだけは避けたかったですし、絶対にあってはならないことだと思ってました。そこから逆算すれば、おのずと、オムツ交換や授乳のスペースを設けること、畳のスペースがありくつろげることなど、会場の導線や、イベントの設計自体に反映されることになります。単純化して言えば、「ママと子どもに優しいイベント」を目指すことです。そのことは同時に、年配の方や足の不自由な方などにも、ご来場いただきやすいデザインになるのではないかと思っています。今後もこのことには注力していきたいです。また高校生以下無料というのは、言うまでもなく、次世代にタネをまきたいからです。正直、10代の若い人から見れば、おじさんがやってるイベント、と思われても仕方ないかと思ってます。ま、実際そうですけど(笑)。

 これまでも高校生以下は入場無料でしたが、一向に来ていただけない。こちらの力不足です。ですが、地域の中高生の1人でもいいから、何かを感じで持ち帰ってほしい。この体験があるかないかで、世界の見え方が大きく変わる可能性があることを、おじさん達は知っています。傲慢ですが、そんな押し付けがましい考え方で、高校生以下無料としています。

–––– 雨の対策など、持っていった方が便利だと思われるものを教えてください。

 雨の際は屋根の下でも楽しめますので、特に対策はいらないかと思います。なるべく身軽でよろしいかと思います。基本、手ぶらで来場いただけるようなイベントがいいかなと。

–––– 森波でどんな時間を過ごして欲しいですか。

 それぞれのお客さんの自由な楽しみ方が理想ですかね。会場全体が一体になる必要もないですし、適当に、踊ったり、休んだり、おしゃべりしたり、食べたり…とにかく楽しんでいただきたいですね。

森波二〇一九

開催日:7月14日(日)

会場:伝統芸能伝承館 森舞台(宮城県登米市)

出演:cro-magnon、GAGLE (HUNGER & DJ Mu-R SET)、BANDERAS、DJ KENTARO、佐藤タイジ&沼澤尚、EMILAND、TOKIO AOYAMA

(20時からCAFE GATIにてアフターパーティー開催)


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