さかいゆうの5枚目のオリジナル・アルバム『Yu Are Something』がリリースされた。このアルバムは、さかいにとってのルーツミュージックを詰め込んだ作品だという。20代前半で憧れていたアメリカへ移住したさかいは独学でピアノを学びはじめた。さかいのルーツにあるものは、アメリカのソウル、R&B、ジャズ、ゴスペルなどであり、アメリカの暮らしで、それらの音楽をダイレクトに受け入れていったのだろう。
自分のルーツにあり、憧れていた音楽を自分のものとする。その実現のためには、憧れていたミュージシャンを集める必要があったに違いない。このアルバムには、豪華なミュージシャンが集結している。ジェームス・ギャドソン、レイ・パーカー・ジュニア、ジョン・スコフィールドなどが参加している。
さかい本人によるライナーノーツにはこんなことが書かれている。「アメリカの音楽に影響を受けてきた僕が日本のポップスを書き、それをアメリカのミュージシャンが演奏する。そこに何かとても意味深いものを感じるレコーディングでした」。
ジョン・スコフィールドがレコーディングに参加した件も書かれている。「ジョンスコはシールドをギターアンプにさしてポロポロ弾いた瞬間から、僕が十数年憧れ聴いてきたジョンスコそのものの音でした。僕はいつも通り、スタジオで演奏している時は無心に自分の内外から聴こえてくる音に反応しているだけでした。ただジョンスコがエモーショナルに歌うようにギターを弾くたび、ブルブルと鳥肌が鳥肌が止まりせんでした」。
楽器を弾くというアクションによって生まれるグルーヴ。さかいゆうのルーツの一端は、きっとそこにあるのだろう。このレコーディングのメンバーたちによるライブも見てみたい。レコーディングという時間に詰め込まれたグルーヴがライブで放出される瞬間を味わってみたい。
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