「伝説」と呼ばれるボブ・ディランのライブは数多いけれど、それぞれの自分史ではなく音楽史として捉えると、1966年のロイヤル・アルバート・ホールがその筆頭にあげられるだろう。アコースティクギターを手に歌っていたボブ・ディランが、途中からエレクトリック編成に切り替えたことによって、会場にいたファンからブーイングを浴びたショー。ロックの歴史を変えたショーとも言われている。
このショーを、アメリカのインディー・ロックのアイコンとして活躍を続けているキャット・パワーが丸ごとカバーしたライブが行われたのは2022年11月。『Cat Power Sings Dylan: The 1966 Royal Albert Hall』 としてリリースされている。このライブでも、前半はアコースティック、後半はバンド編成でパフォーマンスされている。ライブとともに大きくなっていくファンの声や拍手。ボブ・ディランの伝説的なライブをカバーすることは、キャット・パワーにとっても大きな意味を持っていたことが聞こえてくる。
そんなキャット・パワーの「シングス・ディラン」が日本でも開催される。ティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを演じる伝記映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(ジェームズ・マンゴールド監督)も、2025年2月に公開が予定されている。ボブ・ディランのファンはもちろんのこと、ボブ・ディランの魅力を再確認するような一夜になることは間違いない。
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