デビュー25周年を迎えた世界最高峰のジャズ・ファンク・バンド、ニュー・マスターサウンズ(以下NMS)。99年にイギリス・リーズで結成。2000年代に入り、アメリカのジャムシーンでも人気を獲得していった。18作目となる新作『Old School』をリリース。その新作がセットリストに加えられたライブが早くも日本で実現する。世界中をツアーで回り、オーディエンスを熱狂の渦に導いてきた4人ならではの高速ファンクが、再び日本で展開される。NMSの中心人物であるギターのエディ・ロバーツにインタビュー。
–––18作目のアルバム『Old School』がリリースされました。前作の『The Deplar effect』はアイスランドのスタジオで録音されました。今作はどこで、いつ頃にレコーディングされたのですか。
Your 18th album “OLD SCHOOL” has just been released. Your previous album “The Deplar effect” was recorded in a studio in Iceland. Where and when was this album recorded?
『Old School』は2023年8月にイギリスでレコーディングしました。ダービーシャーの田園地帯の中心にあるジョー・タットン(NMSの鍵盤奏者)のスタジオで録音したんです。建物がとても古かったので、アルバムのタイトルにも影響を与えています。
‘Old School’ was recorded in the UK in August 2023, at Joe’s (NMS keys player) studio in the heart of the Derbyshire countryside. The building is an old school house, and influenced the title of the album.
–––『Old School』のコンセプトを教えてください。
What is the concept of “OLD SCHOOL”?
前述したように、私たちはこのアルバムをとても古い建物で録音しました。このタイトルは言葉遊びでもあるんです。このアルバムは、初期のオリジナルのNMSのサウンドとアプローチに立ち返りたかった作品でもあるんです。ひとつの部屋にいる4人の男たちで、ファンキーなグルーヴとメロディーを作り、オーバーダブは一切なし(タンバリンは除く)。トリックやエフェクトを使わず、ただ自分たちのサウンドを出したかったんです。
As mentioned, we recorded the album in an old school house, but the title is also a play on words. We wanted this album to hark back to the original NMS sound and approach - 4 guys in one room, making funky grooves and melodies, with no overdubs (except a tambourine!), with no tricks and effects, just the way we sound.
––– 『Old School』では生ピアノの音なども印象的です。新しくチャレンジしたことを教えてください。
The acoustic piano and some other sounds in “Old School” are very impressive. What new challenges did you take on this album?
以前のアルバムでもピアノを使ったことがあったし、ジョーがすごくいいピアノを持っていたので、今回も使わずにはいられませんでした。このアルバムの音は、本当に僕ら4人の音だけなんです。
We’ve used piano on some previous albums, and Joe had a really nice piano up, so we couldn’t resist using it again. Apart from that, it really is just the sound of the 4 of us.
––– それでは、ここだけはバンドとして変わらないところとは?
What is the only thing that has not changed as a band?
ソウルフルなグルーヴへの愛と25年にわたる音楽的友情ですね。
Our love for soulful grooves and the musical friendship of 25 years.
––– みなさんは、それぞれ違う場所で暮らしていらっしゃいます。ツアーを決める、あるいはアルバムの制作など、バンドとして動き出すことをどのように決めているのですか。
You all live in different places. How do you decide to move forward as a band, such as deciding on a tour or producing an album?
私たちは通常、1年半に1枚のペースでアルバムを作るようにしていて、スケジュールの隙間を縫って制作するようにしています。今回のアルバムも例外ではなく、スペインツアー後にスタジオで数日間のオフをとり、それぞれの家に帰る前にイギリスでまたいくつかのショーを行いました。
We generally try to make an album every 18months, and try and work it into gaps in our schedules. This album was no exception, as we came from Spain, had a few days off in the studio, then played some UK shows before going back to our respective homes.
––– ライブバンドとして日本でも人気が高いNMSですが、アルバムもコンスタントにリリースされています。新しい曲を作るモチベーションは、どこで生まれているのですか。
NMS is very popular in Japan as a live band, but also NMS has been releasing music consistently. Where do you acquire the motivation to create new music?
ツアー中にたくさんのアイデアが溜まっていって、それをレコーディングすることで、ツアーで培ったものを吐き出すことができるんです。
I think we just store up a lot of ideas while on the road, and recording them provides an outlet for how we’ve developed from continuous touring.
––– デビュー25周年を迎えます。バンドを長く活動させる秘訣はなんだと思いますか。
You guys are celebrating the 25th anniversary of your debut. What do you think is the key to keep the band active for a long period?
それ以外何もできないんです。真面目な話、私たちは一緒に演奏するのが大好きだし、何年もの間、困難なこともあったけれど、一緒にステージに立っているときは、世界で一番自然体になれるんです。
We can’t do anything else! Haha. But seriously, we love playing together, and although there have been challenges over the years, when we are back in stage together, it’s the most natural thing in the world.
––– 10月前半にスペインツアー、後半にはアメリカツアーが行われます。みなさんにとって、ライブツアーはどういう存在ですか。
You will be touring Spain in the first half of October and the U.S. in the second half. What does the live tour mean to you?
私たちにとって音楽は、一緒に分かち合うお客さんがいなければ意味をなさないんです。それが私たちにエネルギーと生命を与えてくれています。
For us, our music doesn’t make sense unless there’s an audience to share it with. This gives us energy and life.
––– そのツアーのセットリストは、新作の曲が中心になるのですか。
Will the set list for the tour consist mainly of songs from the new album?
現在のセットの半分以上が新しいアルバムの曲で、そこに過去の楽曲も織り交ぜています。新しい曲を演奏することで、自分たちの新鮮さが保たれるし、私たちが常に新しいアルバムを書いてレコーディングしている理由のひとつでもあるんです。
We’re currently playing over half of the album in the set. And we mix that up with plenty of classics from our back catalogue. Having new tunes to play keeps things fresh for us, and it’s another reason why we’re are always writing and recording new albums.
––– 12月に、およそ2年ぶりの日本公演が行われます。日本のファンの印象を教えてください。
In December, you will be performing in Japan for the first time in about two years. What is your impression of Japanese fans?
私たちは日本のファンが大好きです。特に2007年に初めて来日して以来、ファンの方々が示してくれている忠誠心にとても感謝しています。
We LOVE Japanese fans, and we especially appreciate the loyalty our fans have shown us since we came for the first time in 2007.
––– 多くのファンが日本でのライブを心待ちにしています。日本のファンにメッセージをお願いします。
Many fans are looking forward to seeing your show in Japan. Please send a message to your fans in Japan.
みなさんの前で新曲を演奏し、一緒に25周年を祝うのが待ちきれません!
We can’t wait to play all these new tunes for you, and to celebrate 25 years together!
THE NEW MASTERSOUNDS LIVE 2024
2024年12月12 日(Thu) @Shangri-La(大阪)
2024年12月13 日(Fri) @SHIBUYA CLUB QUATTRO(東京)
チケット:e+(イープラス)
1990年代後半にエディ・ロバーツは直接的な前身バンドとなるマスターサウンズをサイモン・アレン(ドラム)らと組む。そして1999年にピート・シャンド(ベース)、ボブ・バーチ(オルガン)を加えニュー・マスターサウンズを結成。2001年にファースト・アルバムをリリースした。2007年からはジョー・タットンが参加し、現在のメンバーになる。2007年に初来日し、翌年には「フジロック」に出演。以降、コンスタントに来日を果たしている。
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