【Jah9/来日直前インタビュー】レゲエがもたらしてくれるポジティブな変化を共有する。

2010年代後半に盛り上がってきたレゲエ・リヴァイヴァル・ムーヴメント。その最重要女性アーティストとして注目を集めているJAH9が、初来日を果たす。メッセージ性とスピリチュアル性に包まれたライブ。それはレゲエアーティストでありつつ、ウェルネスアドボケイト(健康提唱者)であり、カルチュラルアンバサダー(文化大使)という側面を持っているからに他ならない。来日直前のJah9にインタビュー。


–– 出身はどちらですか。

 生まれはジャマイカのモンテゴベイで、トレローニー地方のファルマスで幼少期の8年間を過ごしましたが、文化、アートそしてスピリチュアル面でもパワフルな中心地であるキングストンで育ちました。ジャマイカはレゲエの聖地なので、そこで生まれ育った環境が自然と私を音楽の道へと導いてくれました。

–– どんな子供時代を過ごしていましたか?

 私の子供時代は自然、人との繋がり、そして学ぶ機会に溢れたものでした。両親は2人とも教師であったため、学業と知的探究は私の家庭ではとても重要なものでした。田舎で長い時間を過ごし大地と繋がれていたことで、幼い頃からスピリチュアルな視点で物事を見るようになりました。

–– 歌いはじめたきっかけを教えてください。

 私の内面にあった深い感情や思想を表現するひとつの方法として歌い始めました。音楽は常に私にとってスピリチュアルな体験です。真実や変化の必要性を訴える手段なのです。ジャマイカで育った私が、次第に音楽、特に、正しい方向に進もうという意識や要素をたくさん含むレゲエに傾倒していくようになったのは、必然なことであったように思います。

–– もっとも影響を受けたアーティストは?

 多くのアーティストから影響を受けましたが、ニーナ・シモンが私が最も感化されたアーティストのひとりです。彼女の歌声には深みがあり、感情豊かで、真実を訴えることを恐れませんでした。レゲエではバーニング・スピアやピーター・トッシュといったアーティスト達からも大きな影響を受けました。特に彼らのメッセージと社会正義に対する姿勢からです。

–– ファーストアルバム『New Name』をリリースしたのが2013年。それ以前はどんな活動をなさっていたのですか。

『New Name』の前は様々なジャンルの学問や専門的職業に深く関わっていました。西インド諸島大学(UWI)で心理学と人材育成(HRD)の学位を取り、そのことで人間の行動、個人の成長、組織開発についての理解を深めることができました。企業に就職し人材育成とブランド戦略を担当していました。同時に私は、ウェルネス、スピリチュアリティ、文化活動を探求し、自分探しの過渡にいました。私が世界に向けてシェアしたいと思っていたことを自分の音楽やメッセージとして形成させるのに、これらの経験が役立ってくれました。

–– 日本では「レゲエ・リヴァイヴァル・ムーヴメント」を代表する女性アーティストと紹介されることが多いです。あなたにとってレゲエとはどういう存在ですか。

 レゲエとは精神的、文化的、社会的表現の手段です。声なき人達を代表する声であり、人々を束ねるリズムであり、より崇高なものへと繋がるための方法なのです。

 私にとってはレゲエは瞑想の一形態でもあります。そのルーツ、エネルギー、メッセージは全てが相互作用して、意識を高めさせ、ポジティブな変化を促してくれるものだからです。

–– Jah9という名前にした理由を教えてください。

 私の実名がJanine(ジャニーン)で9の綴り’nine’が含まれます。昔、叔父が私の名前の’nine’を強調して発音して私を呼んでいて、その響きが幼い頃から私の心の奥にこだましていました。数字の9は私にとって常に特別なスピリチュアルな意義を持ち、完全の象徴であり神聖で女性的な力を持った番号です。「Jah」は創造主、神への私の献身を表すもので、「Jah9」は私の精神的、芸術的な人生の旅を表現するために完璧な名前だと感じたのです。

–– レゲエアーティストであり、ウェルネスアドボケイトとしても活動なさっているとのこと。ライブではウェルネスアドボケイトに関しての演出などはあるのですか。

 はい。日本ツアーにはウェルネスも取り入れる予定です。11月5日(火)横浜のThumbs Upにて’ウェルネス トーク&ブレスワーク セッション’を日本語通訳ありで行います。音楽だけでなく、セルフケアと精神的成長のための方法をみなさんとシェアすることは私にとって重要な事なので、このイベントは深いレベルでファンの方々と繋がることのできる美しい機会なのです。

–– ヨガ講師としても活動なさっています。ヨガはあなたにどんなことをもたらしてくれていますか。

 ヨガとは肉体的、精神的な両面でのバランスを保つためのツールです。私自身の内面により近付き精神の安定を保つための練習なのです。ヨガは呼吸と感情を繋げる力を私に与えてくれ、それによって肉体についての理解を深めることができました。それは私の音楽や人生に非常に役立っています。

–– あなたにとってライブとはどんな存在ですか。

 ライブショーは神聖な空間です。観客のエネルギーとアーティストのエネルギーが混ざり合って、何か特別なパワフルなものを生み出す場所だからです。私にとっては、ライブで演じるということは一種の儀式であり、私のメッセージをみなさんにシェアし、精神的な向上と癒しに繋がる共同体験をみんなで創り出すことなのです。全てのパフォーマンスは神へのスピリチュアルな捧げものなのです。

–– 日本に対してどんなイメージを持っていますか。

 日本には伝統とモダンさがうまく融合した豊かな文化があり、敬意と規律を重んじる国民性が深く人々に根付いていることを私は賞賛しています。

 日本の方々がレゲエ音楽を深く愛していることも知っているので、そのエネルギーと今回のツアーで繋がれることに興奮しています。日本という国の自然の美しさと深い精神文化に触れることも今回のツアーで楽しみにしているひとつです。

–– 日本のライブで、ファンにどんな体験をしてもらいたいですか。

 日本のファンのみなさんに深い意味での繋がりを感じて欲しいです。音楽との繋がり、そして皆さん自身の内面への繋がりもです。私のショーはただのエンターテインメントではなく、その場にいる皆が内省、癒し、そして向上へと繋がれる空気感を創り出すものだと思っています。皆さんがライブ会場を出られる頃には、インスピレーションを受けつつも気持ちが軽く楽になり、心の平穏を感じていてほしいと願っています。

–– もう少しで初来日ツアーです。日本のファンへ、来日に向けたメッセージをお願いします。

 遂に日本に行けることになり、私の音楽、メッセージそしてエネルギーを皆さんと共有できることにとても興奮しています。

 日本の方々のレゲエに対する愛とリスペクトが多大なものである事は本当にいろいろな方面から聞いてきました。そしてその日本でのレゲエコネクションを今回は自身で直接体験できるのを楽しみにしています。是非皆さん一緒に美しいものを創り上げていきましょう。See you soon!

(翻訳 = 吉田愛 & 田島良美)

JAH9 inJAPAN 2024

10月31日(木)@The Garden Hall(東京・恵比寿)

11月1日(金)@ Yoga Retreat(兵庫・淡路島)

11月2日(土)@ VARIT.(兵庫・神戸)

11月3日(日)@ FrescoCaffe(埼玉・上尾)

11月5日(火)@THUMBS UP(神奈川・横浜)

11月6日(水)@Sky Juice(愛知・豊橋)

11月8日(金)@STAND-BOP 5F(福岡・福岡)

11月9日(土)@REBEL(広島・呉)

11月11日(月)@ DOWN TOWN(大阪・泉大津)

11月12日(火 )@ After Tour Party(大阪)

https://jah9.com/

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