【SONG OF THE EARTH/CANDLE JUNEインタビュー】福島に行って、見て、聞いて、触れ合うことの意義。

今年も3月11日が近づいてきている。東日本大震災から11年。この時間によって、多くの人の心の中で、東日本大震災の記憶は薄れていっていると言っても過言ではない。東日本大震災で学んだことを未来につないでいく。そんな思いを持って、今年もSONG OF THE EARTH 311(SOTE)が開催される。11日のフェスティバルをメインに、シンポジウムやツアーも行われる。一般社団法人LOVE FOR NIPPONの代表理事でもあるCANDLE JUNEさんにインタビュー。

–––– 東日本大震災から10年が過ぎ、SOTEの開催からも続けていくことの大切さを感じています。JUNEさんは3月11日のSOTEだけではなく、月命日の11日には毎月福島でキャンドルを灯しています。続けてきたモチベーションはどこにあるのですか。

 まだ何もなしえていないということです。原発事故からの安全収束、津波被害地域の復興、様々な悲しみと向き合ってきたなかで、たくさんの問題との向き合うことになりました。それらの解決をするための一歩一歩なのですが、まだまだなことがたくさんあり、それらの解決までがゴールと考えています。


–––– 今年のSOTEは3月10日から12日まで複数の会場で開催されます。参加する方々にとって、どんな時間になればいいと思っていますか。

 フェスティバルというと音楽がメインとなりますが、わたしはそうは思っていません。様々なコンテンツがあり、いろんな繋がり方があります。それぞれの311を福島で体験してもらえたらと思います。

–––– 福島はJUNEさんにとってどんな存在ですか。

 暮らしていないのに、もっとも滞在しているところ。

–––– 今年は「ふたばふたたびツアー」が開催されます。参加費も無料とのこと。このツアーを企画した意図は?

 フェスティバルに参加してもらうことだけでは見えない景色があります。ふたばの今を体験してもらいたいことからスタートしました。

–––– 今年も残念ながらコロナ禍での開催になります。参加する方に注意していただきたい点は?

 体調管理をしっかりとおこない、健康な方のみのご参加でおねがいしたいです。

–––– 福島を振り返りつつ未来を描いていくシンポジウムが昨年からスタートしました。知ること、そして知ったことで考えるひとつにきっかけになると思います。

 1年間シンポジウムを開催してわかったことは、「話し合うことの大切さ」です。省庁や行政、企業も様々な方々が参加してくれて、なおかつ学生達といっしょに話し合いました。大人だけで話すと、一見もっともな形の終わりをみますが、子供達がいることで話し合いのベースが変わりました。今年は話し合うテーマがより具体的になり、話し合うこと、つながり合うことから生まれる何かがスタートできるようになれたらと考えています。

–––– SOTEは「1年に1度みんなが帰ってこられる場所」です。どんな時間になることを願っていますか。

 追悼式典が開催されない地域が増えてきました。そんな方々がSOTEにも来てくれるようになりました。福島各地にラブフォー支部ができています。先日には愛知でも立ち上がりました。

 福島を苦しめることのひとつに風評被害があります。これは福島県外の方々が作り出すものです。と同時に、原発事故以降ずっと福島のことでもやもやし続けている人がたくさんいると思います。

 震災から11年。今もっともできる福島への支援は、今まで福島に来たことがない人が来ることです。「みんなが帰って来られる場所」ではなく「みんなが大地と繋がる日」だと思っています。福島の方々は「目に見えない放射能」とつねに共にあります。数値が低くても「危ない」といわれる曖昧な世界です。そして津波という海の声を聞いた方々です。

 世界からやってきたSDGsは「誰一人取り残さない世界へ」がテーマとして日々メディアから流れてきます。これを避難し続けている方々が目にするときを想像してみてください。「自立を促す」ために支援を辞めた方々。その自立とは何なのでしょうか。原発反対!と訴えている方々は何が危険だから反対と言えるのでしょうか?

 今一番効果的なことは福島に来て、見て、聞いて、触れ合うことではないでしょうか。「初めて来ました!」という方が今年1番の支援者であると思っています。

SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2022-

開催日:3月10日(木)〜 3月12日(土)

3.10(木) @伝承館 CANDLE 11th

3.11(金) @伝承館 CANDLE 11th

3.11(金) @Jヴィレッジ SONG OF THE EARTH 311 FESTIVAL -FUKUSHIMA 2022-

3.11(金) @Jヴィレッジ 3.11夢の大凧あげ

3.11(金) @Jヴィレッジ 巨大ダルマ引き合戦

3.11(金) @Jヴィレッジ CANDLE 11th

3.12(土) @Jヴィレッジ 「福島、その先の環境へ。」シンポジウム

3.12(土) @Jヴィレッジ ふたばふたたびツアー

SONG OF THE EARTH 311 FESTIVAL -FUKUSHIMA 2022-

出演:青谷明日香、おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)、片平里菜、清春、谷本賢一郎、難波章浩、山さん、蚊取り線香(B-sic/HYS)、渡辺俊美、くるくるシルク


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