【ブラリフェス/結いのおと】フェスが町に賑わいをもたらす。参加するすべての人がフェスの時間を大切にしていた。

結いのおと

21.10.10@結城市北部市街地

 JMFA(フェス協会)のZOOMミーティングを行ったのが2021年9月末のこと。理事のひとりでもある「結いのおと」オーガナイザーの野口純一さんもミーティングに参加した。コロナ禍のフェスの開催についてざっくばらんに話し合った。そのなかで野口さんは「どうにかして開催に結びつけたい。けれど地元の声を無視して開催はできない」と話していた。フェスを起因とする地域の再生。そのために何年もかけて町と関係を構築することで「結いのおと」は町中フェスとして成立している。話の流れのなかで、2020年に続きフェス協会としてトークイベントに参加することも決まった。

 2020年は1日だけで会場はひとつ。21年は2日で3会場になった。マルシェなどの出店も、町のなかに散りばめられている。歩行者天国になっているストリートもある。参加した多くのファンにとっても、フェスに限らず、ライブも久しぶりだったのだろう。どのアーティストのライブが見たいのか。優先順位をつけてスケジューリングする。人数制限で会場に入れなかったとしても、外での時間を楽しんでいる。結城で過ごす時間を満喫しているようだった。これこそフェスが持っている遊び心に他ならない。緊急事態宣言が解除された後の開催だったけれど、アルコールの販売はない。会場と会場をつなぐ道にはコンビニもあるのだけど、そこでアルコール類を買っている人は見かけなかった。フェスを大切にしていることが感じられた。

 フェスによって町に人を呼び込む。そして町の魅力を知ってもらう。「結いのおと」のような町中フェスはまだ日本では少ないけれど、特別な存在ではなくなってほしいと願う。

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