【FARCRY BREWING】クラフトビールという文化の発信。

その土地が持っている個性やクオリティ、そして作り手のメッセージをビールに込めることで発展し、定着してきた欧米のクラフトビール。日本にもその波が確実にやってきている。群馬県桐生市から発信されるアヴァンギャルド・ビールというビジョン。


 アメリカを旅すると、多種多様なクラフトビールに出会う。大量に生産されているラガービールでは満足できず、自分の味とスタイルを求めたホームブルーイング(自家醸造)という文化が定着していった。そして個性を持ったマイクロブルワリーが数多く生まれた。

 クラフトビール・カルチャーが日本でも生まれつつある。アウトドアと旅をコンセプトとするショップ「Purveyors」の新たな一歩として2021年1月に産声を上げたのが「FARCRY BREWING(ファークライブルーイング)」。「世界に通用するビールを桐生から」というビジョンを掲げての旅立ちだった。

「日本では、飲みにいくと『とりあえず生』ってオーダーするじゃないですか。イギリスに行ったときにパブに行って同じような感覚で『ビール』とお願いしたら、『どのビールにするんだ?』って聞かれたんです。タップがあって、ビールを選べるようになっていました。その経験が大きくて、日本でもいつかそんなふうになったらいいなっていうのが、ビール作りをはじめたきっかけです」と醸造長の阿久澤健志さん。

 最近のヨーロッパでのビールのカンファレンスでは、「KOKUMI(コク味)」という言葉も使わはじめているという。英語にはならない日本発信の味を表現する言葉。五味の他に存在する日本の味の基礎にあるものと言っていいかもしれない。日本ならではのビールという観点で浮かんできたのが、米の麹だったという。

「ヨーロッパでは長い歴史のなかで大麦、ホップを育て、大麦から麦芽化させるノウハウを蓄積させてきています。自分たちらしさ、自分たちで何ができるのかって考えたときに浮かび上がってきたのが、お米を使うっていうことでした。日本でいい大麦やホップを作っていくのは、時間がかかると思います。米は農家さんが毎年育てているし、日本には日本酒や味噌などの伝統的発酵食品に使われる米や麦を原料とした発酵技術『麹』があります。だったらそれを使うことが、世界に向けた日本発信のビールになるんじゃないかなって」

 ファークライの基本となるのは、ラガービールのFARCRY LAGER、南ドイツ発祥の白ビールを現代的にアレンジしたALI WEISS、アルコール度数の高いKIRYU YOUの3種。いずれも原料の麦芽は、親友のドイツ人が携わるドイツ産のものを使用し、国産米の白麹も使われている。

「日本にも、マイクロブルワリーが増えてきました。新しい、いろいろなキャラクターのビールが出てきていると思います。ドイツやイギリス、ベルギーといったヨーロッパの伝統的なビールを起因にしてアメリカに広がっていったビール。世界を視点で見れば、日本って端っこなんですよ。そして最先端でもあるんです。伝統と革新を融合させて、僕ら日本人が持っている日本酒だったり味噌だったりという発酵技術とインフュージョンさせた日本のビールっていうものを作っていきたいと思っています」

 ファークライの醸造スペースのガラスに掲げられているのが「アヴァンギャルドビール」。伝統(後衛)に対してのカウンターという思いを込めて名付けたという。

「大麦とホップはハード面での原料。歴史とか文化というソフトも十分に原料になり得ると思います」

「たかが、されど」という言葉がある。たかがビール、されどビール。ファークライのビールには、クオリティとともに日本発信・桐生発信という確かなメッセージが込められている。

文・写真 = 宙野さかな


FARCRY BREWING

群馬県桐生市仲町2-11-4 Purveyors 内

Purveyors

TRAVELERS SOUND 

ライブと食事による特別な時間。

2021年の年末を彩るイベントが6日間に渡ってPurveyorsで開催。

12月4日(土)Beautiful hummingbird

12月11日(土)新羅慎二

12月12日(日)bird

12月17日(金)一十三十一

12月18日(土)マヒトゥ・ザ・ピーポー(ソールドアウト)

12月19日(日)曽我部恵一


FARCRY BREWING

We are FARCRY BREWING. “世界に通用するビールを桐生から” 2021年1月に群馬県桐生市で産声を上げた「ファークライ ブルーイング」。 ブルワーは麹を使ったビール醸造の第一人者 阿久澤 健志。 湧水源をいくつも有する水が豊かな桐生という土地で、メインのビールには日本の伝統文化に根差した発酵技術を駆使し、 僕らにしか作れないアバンギャルドな製法で世界へ拳を突き上げるビールを展開します。 旅を続ける僕たちPerk inc.の新たな挑戦は地元桐生で作るクラフトビール。 Purveyors店内にブルワリー「FARCRY Brewing」 ”FAR CRY”は造語です。 遠い誰かを思い、郷愁に駆られる様や、初めて見た景色や、稜線から現れる日の出や日の入りを見たときの心の内を表現した、美しい言葉だと思ってます。 実はこの名前は僕らの大好きなバンドの代表曲のタイトルでもあります。 この響きから何を感じとるのかは、その場に置かれた人たちの心境や状況で変わると思いますが僕らはまだ見ぬ土地を思い、このビールを片手に旅のプランを立て、新たな一歩を踏み出す日を仲間と語り合う。 そんな日常を多くの人と共有できる場をこの桐生に作りたいと思っています。 ==================== お客様窓口・商品発送対応は、 月〜金(土日祝日定休) / 10:00~17:00 とさせていただいております。

FARCRY BREWING

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