今年のフジロックでの個人的なヒットは、初来日だったYĪN YĪN(インイン)のライブ。東アジア〜東南アジアのテイストを、巧みにディスコ的に昇華させたサウンドは、クルアンビンの世界観にも通じるものがある。
インインは、オランダ最古の町と言われるマーストリヒトで2017年に結成。2019年にファーストアルバムを発表し、エキゾ+ファンク・ディスコ・バンドと位置づけられるようになった。最新作は今年1月にリリースされた3作目の『マウント・マツ』。「子守唄」「東京ディスコ」「タカハシ」とタイトルされた曲たちには、民謡や演歌など日本的なエッセンスがより散りばめられている。
フジロックのライブで感じさせてくれたのは、「キワモノ」感ではなく、バンドとしてのクリエイティビティだった。アジア、そして日本といったエッセンスを、いかにサイケデリックな感覚に落とし込んでダンスとして展開していくか。アジアや日本を外から見ることで、それが提出できているのだろう。
フジロックのフィールドオブヘブンでは、日差しのあるなかでのライブだったのに対し、日本初ツアーとはハコでのライブになる。ライティングなども含め、音だけではなく、いろんな要素を含んだトータルのショーとして、インインのオリジナリティある世界観を見せてくれるはずだ。
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