昨年夏のフジロック23。土曜夜のフィールドオブヘブンのヘッドライナーとしてステージに立ったコリー・ウォン。ホーンセクションを含む9人編成のバンドから発せられたファンクは、ヘブンを巨大な踊りの渦へと導いた。強力なグルーブを支配しながらエネルギッシュにギターを奏でるコリーは、現代のファンクシーンにおいてもっとも人気と技量を兼ね備えたギタリストのひとりと言えるだろう。
コリーはアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスを拠点にしている。ミネアポリスといえば思い出されるビッグアーティストがプリンスだ。昨年のフジロックで来日したコリーのバンドにも、プリンスのバンドメンバーが在籍している。プリンスのファンクの遺伝子も、コリーに継承されていると言ってもいい。
モダンファンクバンドの代表格となったVULFPECKのレギュラー・ツアーメンバーとして知られ、Fearless Flyersやソロ作品でのタイトでファンキーなプレイスタイルで知られているコリーのギターの特徴がカッティングだ。しかもコリーのカッティングはメロディも奏でている。彼は自分で「リード・リズム」と呼んでいるという。リズムとメロディが渾然となり、会場全体の雰囲気を仕上げていくプレイは、コリーの真骨頂であり、コリーにしか表現できない音に違いない。
現代を代表するギタリストの初の単独来日ツアーが決定した。昨年10月にリリースされたVaundyの「トドメの一撃feat.Cory Wong」に参加するなど、日本での知名度も急上昇中のコリー・ウォン。オープンエアのヘブンとは違った、濃厚で濃密なファンクの夜が待っている。
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