50年間地下室で眠っていた1969年の革命的フェスが映画『サマー・オブ・ソウル』として甦る。

 キング牧師が暗殺された翌年の1969年8月。ニューヨーク州サリバン郡ベゼルで開催されたのが「ウッドストック・フェス」だ。カウンターカルチャーを象徴する歴史的なフェスとして、その遺伝子は、今も世界中のフェスに受け継がれている。その同じ69年夏に、ニューヨーク・ハーレムのマウント・モリス公園で開催されていたのが「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」。スティーヴィー・ワンダー、B.B.キング、グラディス・ナイト&ザ・ピップス、フィフス・ディメンション、スライ&ザ・ファミリー・ストーンなどがステージに立った。6月29日から8月24日までの6回の日曜に、計30万人の観客を動員したという。

ウッドストックの白人文化とハーレムの黒人文化という対比。例えばウッドストックがドレスダウンしたヒッピースタイルに対し、ハーレムはライブに対してのリスペクトを込めたかのようなスーツなどのドレスアップしたスタイルでフェスを楽しんでいる。

 そもそもこのフェスは、タレントでミュージシャンでもあったトニー・ローレンスが当時のニューヨーク市長リンゼイの協力を得て、キング牧師暗殺一周忌を記念して立案されたものだった。「ブラック・ウッドストック」と名付け、テレビに企画を持ち込んだものの、結局この伝説のフェスを記録した映像は人目に触れることなく、その後半世紀もの間、倉庫の中に封印されていた。

 このフェスティバルの全貌をパワフルなドキュメンタリー映画として蘇らせたのが、4度のグラミー賞受賞者であり、「ザ・ルーツ」のドラマー/DJ として世界的人気を誇るアミール“クエストラブ”トンプソン。今年1 月に開催されたサンダンス映画祭のオープニング作品として上映され、熱狂的な賛辞とともにドキュメンタリー部門審査員大賞と観客賞をダブル 受賞を果たした。

 1969年という時代の変革期を伝える映像であり、音楽やファッションを映し出すドキュメンタリー。黒人社会に大きな希望を与えたフェスのエネルギーを追体験することができる。


サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

監督:アミール・“クエストラブ”・トンプソン

出演:スティーヴィー・ワンダー、B.B.キング、フィフス・ディメンション、ステイプル・シンガーズ、マヘリア・ジャクソン、ハービー・マン、デイヴィッド・ラフィン、グラディス・ナイト&ザ・ピップス、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、モンゴ・サンタマリア、ソニー・シャーロック、アビー・リンカーン、マックス・ローチ、ヒュー・マセケラ、ニーナ・シモンほか 

2021年/118分/アメリカ

https://searchlightpictures.jp/movie/summerofsoul.html

※8月27日(金)より全国公開

©2021 20th Century Studios. All rights reserved.

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