【結い市/インタビュー】一期一会を大切した積み重ねの途中地点としての10回目の街中マルシェ(フェス)。

街に残る古い建造物や神社の境内など、街中を会場にしたマルシェ「結い市」。街中マルシェ/街中フェスは、地域活性の新しいコンテンツとしても注目を集めている。この「結い市」が、今年で10回目の開催を数える。結城という街に人を呼び込み、街に賑わいをもたらすのはどうしたらいいのか。マルシェの充実だけではなく、無料でライブを開催するなど、フェスの要素も加味し、受け入れる門戸を開いているのも「結い市」が人気を集めている理由のひとつだろう。一歩一歩新しいことにチャレンジしてきたからこそ、今の形に結実しているのかもしれない。『結い市』実行委員会の野口純一さんにインタビュー。

–––– 10回目の開催となる今年。ここまで続けてこられた理由で、一番のものはなんだと思いますか。

 やはりなんといっても住民や商店主のみなさんのご理解と支援です。結い市は街全体が会場なるイベントです。交通規制(歩行者天国)や空き店舗や酒蔵、結城紬の産地問屋などの場所を出展会場として使わせていただいています。10年間、誰一人からも反対されることなくご協力いただけている事は本当に街の最大の強みであり財産だと思っています。今後はこうした強みを活かして、街の新たなプレイヤーの誘致をはかり、共に成長することで地方で課題となっている街の世代交代を実現させたいと思っています。

–––– 10回目ならではの、おすすめポイントを教えてください。

 メモリアルイヤーを記念した様々な催しを企画しています。手ぬぐい専門店の「かまわぬ」とコラボした10周年限定のオリジナル手ぬぐいを販売します。またFREAK‘S STOREさんとマルシェバックを作ってたり、Purveyorsさんに会場の制作を依頼しています。このような今まで積み重ねたネットワークによって完成される結い市、やはり継続してきたからこそ出来上がった、街の新旧が一体になった雰囲気を体感していただきたいです。

–––– 今年の出店は、何店舗になりますか。

 95店舗が街全体に出展します。ミュージシャンやパフォーマーを加えると参加者は、総勢100組を超えます。

–––– 出店をセレクトするにあたって、こだわっていることとは?

 コンセプトは『手から生まれるもの』 。結城紬はすべての工程が手仕事によって創られていきます。その他にも桐製品や古い町特有の酒、味噌、醤油なども手仕事によって生まれるものです。結城市は長い歴史の中でモノづくりの本質が根付いた街と言えます。

ですから「結い市」の参加者は、お店を出す出店者ではなく作品(展示物)を出す出展者です。つまり「結い市」の出展者さん達は、みなさんがアーティスト、作家さんです。もちろん手づくりの作品だけでなく、仕入れた商品を販売する人もいます。しかしその商品も「手に取り」どれもこだわりを持った作品です。ひとつ、ひとつに自信をもって作品を出展します。 そんな作品の思いを、聞いてみてください。触れてみてください。

 そんな個性豊かな出展者さん達が結城の街中に溶け込み、衣・食・住・アート・音楽などジャンルを問わず、手から生まれる様々なものを対象に人・モノ・街が縁で結ばれる市が「結い市」です。こうしたコンセプトに沿った出展者さんを公募で募るではなく、結いプロジェクトのメンバーで探して招待状を送らせてお声がけしております。

–––– 10回目のテーマのようなものは決めているのですか。

 テーマは、そのままずばり「10」です。

 一期一会を大切に、丁寧につくりあげてきたお祭りの、記念すべき10回目。積み重なってきた街の歴史に重なる、私たちの暮らしの月日、結い市がはじまってからの10年間です。 すべては充実した日々のためであり、充ちてあるため。気が遠くなるようで、あっという間だった10年間でした。重ねた時間に想いを馳せながら、10周年の祝福を込めてそれぞれの「10」を楽しみ尽くしてほしいです。

–––– 開催が近づいている今、来場することに伝えたい注意点があれば。

 会場は、もともと城下町だった市街地です。道幅が狭く路地や迷路のように入り組んでいます。安全面や駐車場も限られていますので、ぜひ公共交通機関でのご来場をお願いします。そうすれば会場となっている酒蔵の地酒なども愉しめますのでおススメですよ。

–––– 結い市を続けることで、結城という町が変わったところはありますか。

 少しずつですが、個性的な店舗が増えています。また最近元気のなかったお店も暖簾や看板を新調しなんだか商売っ気が出てきた感じもしています。街のイメージも「結い市」や「結いのおと」を通して特徴的な街として捉えてオモシロい人材が集まってきました。

–––– 10回を振り返って、どんな思い出が今は残っていますか。

 本当に1回、1回に物語があって…あっという間でした。すべてがいい思い出であり、次につながる活力になり継続してこれました。まだ道半ばのせいか、やり切った感はありません。これからは、この10回目を節目に新たな目標を立てこれから邁進していく所存です。

photo = Takumi Sano


結い市

開催日:10月13日(日)14日(月・祝)

会場:健田須賀神社及び結城市北部市街地(茨城県結城市)

ライブ出演:オオヤユウスケ、NABOWA、kan sano、ほか


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