7月1日からスタートしたグランテッド・フィルム・フェスティバル。全国のパタゴニアストアのほか、大阪、石巻、東京、福岡などではストアではない会場で開催されている。東京大手町では3×3 Lab Futureで行われた。
開場が17時半と、ウィークデイのイベントとしては早かったものの、開演時間近くになると、100近い席がほぼ埋まった。パタゴニア支社長の辻井隆行さんが、パタゴニアが掲げるビジョンを、わかりやすく紹介してくれる。講演という一方通行のものではなく、みんなが参加するファシリテーションのようなもので、聞いていても入って行きやすかった。
なぜパタゴニアが環境活動をするのか。その答えが、この言葉に表れているような気がする。「死んだ地球ではビジネスは成り立たない」。アメリカの自然保護運動の指導者であるデイヴィット・ブラウアーのこの言葉が紹介された。経済ももちろん大切だけれども、それ以上に大切なものがある。そしてその大切な環境のために、ビジネスから何ができるのかをパタゴニアは実践しているのだろう。そのひとつがグランテッド・フィルム・フェスティバルだ。
土地や文化や地域に生気を与えるつながりを保護/回復するために戦う人びとのショートムービーを制作。その上映会をメインにしたイベントだ。上映される映画は会場によって変わるらしいが、この日上映されたのは、山口県上関原発を題材にした『シー・オブ・ミラクルズ(奇跡の海)』と、ダム建設が予定される長崎県川原地区を描いた『プロテクターズ・オブ・ファイアフライ・リバー(ほたるの川のまもりびと/パタゴニア特別限定版)』。そこに行かなければ感じられないい、知ることができない現状を伝えてくれている。
この日のイベントでは、上関で取った魚がお寿司となって振る舞われた。マダイ、コショウダイ、ワラサ、スズキ。どの魚も本当に美味しい。海の豊かさを、その魚たちは教えてくれている。
海を守りたい、森を守りたい。人々の暮らしを守りたい。何が人間にとって大切なのか。それを改めて考えさせてくれる時間になった。
0コメント