atamanisyokku

Switch、Balance、88、Ljなど、数々のカルチャーマガジン&フリーペーパーの編集を歴任。国内外のフェスにも数多く参加し、フェスおじさんという愛称のもと、カウンターカルチャーやフェスカルチャーを広めている。

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「失敗が許されない社会は窮屈」ONENESS MEETINGで語られた関野吉晴の提言。

縄文と現代を音でつなぐONENESS MEETING。探検家の関野吉晴がトークで出演する。

 ルーツと現在がクロスするトライバル・ダンスミュージックパーティーを掲げ、2012年にキャンプインフェスとしてスタートしたONENESS MEETING。翌年から会場を東京に移し、キャンプインを含め今回が7回目の開催となる。縄文という時代を、今の音によって想起させてくれるイベントだ。 ライブやDJだけではなく、トークやワークショップを充実させるなど、フェスの持つファクターを持続させている。 今年の開催で特に注目したいのが、探検家であり医師でもある関野吉晴さんのトークでの出演。関野さんは人類発祥の地アフリカからユーラシアを経て南北アメリカに広がっていった祖先の拡散の足取り(グレートジャーニー)を、1993年から10年もの歳月をかけて逆ルートで辿った。この旅の特異な点は、自動車やバイク、電車、飛行機といった「近代的動力はつかわない」というルールを自分に課し、徒歩や自転車、カヤック、馬、らくだ、犬ぞり、トナカイのそりなどを使って旅を続けたことだ。 なぜ今回のONENESS MEETINGに関野さんを招くことになったのだろうか。その思いを聞いた。「縄文時代のおもしろさは、土器や土偶の造形美もさることながら、定住型の狩猟採集民社会が1万年以上持続した点にあります。それが世界的にも稀だということで、縄文時代はSDGs(Sustainable Development Goals)=持続可能な開発目標のひとつのモデルとしても注目を集めていますが、今も自然から素材をもらい、地球に負荷の少ない暮らしを営む民族や少数部族はいて、人間が地球の上で持続的に暮らすための根源的な知恵を伝えています。 関野吉晴さんは、人類拡散の道グレートジャーニーの人力走破や日本列島にきた最初の初期人類のルートを辿る旅を通して、世界各地の民族や少数部族と交流を重ねてきました。そんな関野さんに狩猟採集民のものの考え方や価値観を語っていただき、もうひとつの生き方、暮らし方について思いを馳せるような時間を持てたらと思いました。 音楽イベントとして、狩猟採集民にとって唄や踊りはどのような意味を持つのかも聞いてみたいところです。世界各地に興った文明の根っこにも当然、狩猟採集民の文化はあり、農耕後の時代を生きる私たちが楽しんでいる唄や踊り、祭りといった文化のなかに、その価値観は残されているのではないかとも思います。そのような脈々と続いてきた文化とつながることで、生産性や経済性を重視するだけではない人間の持つ可能性や豊かさに近づきたいという思いがあります」 こう返答してくれたのが、ONENESS MEETINGのオーガナイザーであり縄文ライターの草刈朋子さん。 ライブはもちろんのこと、関野さんがどんなことを音楽を核にしたイベントで語ってくれるのかが興味深い。